【初心者向け】ダイエットとエネルギー(カロリー)消費の基礎知識

ダイエットを始める人
『 ダイエットにはエネルギー(カロリー)消費が大切なんだよね。ところでエネルギーとかカロリーってなに?』
そんな質問にお答えします。ダイエッターなら必ず耳にするであろうエネルギー(カロリー)消費について。すべてを覚える必要はありません。なんとなくイメージできればOKです。
今回の内容
- 何にエネルギー(カロリー)を消費しているか
- エネルギー源についてちょこっと解説
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何にエネルギーを消費しているか
その前に『 エネルギーとカロリーの言葉の意味 』についてちょこっとおさらいです。
生きて、身体を動かすのに必要な活動の源。単位がキロカロリー(kcal)なので、「カロリー」と呼ばれています。
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【 カロリー 】
こちらが本来の意味。エネルギーの単位。 1ℓの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーが1kcal。
こんな感じです。別に呼び方なんでどちらでもいいのですが、ここでは一般的に言われているカロリーのことを『 エネルギー 』と呼ぶことにします。
基礎代謝
ここからが本題。何にエネルギーを消費しているか、最も大きいのは『 基礎代謝 』です。基礎代謝とは人が生きるために最低限必要なエネルギーのこと。1日中、何もせずに横になって過ごしていても消費されているエネルギーのことを言います。
基礎代謝に含まれる要素は以下のとおりです。とはいえ、ほぼ無意識に消費されているので実感はないと思います。
ⅱ. 新陳代謝(古い成分が新しい成分に置き換わること)のためのエネルギー
ⅲ. 体温維持のためのエネルギー
新陳代謝
新陳代謝には基礎代謝の25%ほどが利用されますが、加齢によって徐々に低下します。歳を重ねると基礎代謝が減少するのは、新陳代謝が低下することも理由の一つです。
体温維持
成人の身体の60%程度は水分なので、体重60kgだと水分量は36L程度です。この水分の温度(体温)はおよそ37℃なので、常に温め続けなければなりません。外気温が低くても体温は一定に保たれますが、寒い冬場ではさらにエネルギーが必要になります。つまり寒いほうがエネルギーを消費するということ。もしかしたら、寒い冬場のほうがダイエットが成功しやすいかもしれません。
食事誘発性熱生産
エネルギー消費において最も大きいのは基礎代謝ですが、実は普段の食事摂取時にもエネルギーが使われています。これを『 食事誘発性熱生産 』といい、摂取したものを消化・吸収・合成するときに一時的に代謝が高まる状態のことです。1日の消費エネルギーの10%程度を占めています。
たとえば1日2,500kcalのエネルギー消費量のうち、およそ250kcalが食事誘発性熱生産によるものです。残りの2,250kcalは基礎代謝や身体活動による消費エネルギーです。10%程度なので消費税みたいなものですね。
タンパク質は太りくい?
太りにくいとも言えますが、そうとも言い切れません。これには食事誘発性熱生産が関係しており、栄養素によってその数値が異なります。『 タンパク質:摂取量の20%、炭水化物:5~10%、脂質:5% 』が食事誘発性熱生産として使われます。たとえばタンパク質を500kcal摂取した場合、その20%にあたる100kcalが熱として放出されます。
エネルギーが熱になること、これすなわち身体活動にも身体の構成成分にも使われず『 無駄 』になっているということです。タンパク質は無駄な熱生産に費やされるエネルギーが多いため、多少多く摂取しても太りづらいという考え方もできます。
一方、脂質は5%なのでタンパク質よりも『 無駄 』になるエネルギーが少ないです。つまり、ほぼ取ったら取った分だけのエネルギーが蓄積することになります。
タンパク質にせよ脂質にせよ、取りすぎてしまえば体脂肪が増えて太るのは時間の問題ということですね。
エネルギー源についてちょこっと解説
主なエネルギー源は『 炭水化物、脂肪、タンパク質 』です。1gあたりのエネルギーは『 炭水化物:4kcal、脂質:9kcal、タンパク質:4kcal 』を生産します。
炭水化物は脳の貴重なエネルギー源なので、エネルギー源としての優先順位は高いです。しかし体内に貯蔵できる量が少ないため、飢餓状態では真っ先に枯渇してしまいます。そういった場合、筋肉や内臓を作っているタンパク質が分解・合成されて炭水化物を作り出します(いわゆる糖新生)。つまり、飢餓状態では体脂肪だけでなく筋肉も減少することになります。
まとめ
・エネルギーの多くは基礎代謝で消費している。
・タンパク質は脂質に比べると太りづらいが、極端に多く取り続けると太る原因になる。
・飢餓状態ではタンパク質が分解合成されるため、体脂肪の減少のみならず筋肉も減少する。
参考資料
岡村浩嗣:ジムに通う人の栄養学, 講談社, 2013.