【 初心者向け 】これだけは押さえよう!ダイエットに必要な栄養素【1/2】

これからダイエットを始めたいという方
『 そろそろ暖かくなるしダイエットや健康のために運動を始めたい。きちんとやるなら栄養についても知っておきたいけど、本を買うまででもないしなあ…。』
そんなお悩みにお答えします。内容は「運動・栄養初心者」向けです。「ダイエット」にも通じるものがありますので、なんとなくでも良いので頭の中に入れておきましょう。ちょっと長いですががんばりましょう!
こんにちは。ケンイチです。仕事柄、運動や栄養について考えることが多いです。このブログではその過程で得た知見などをちょっとずつアウトプットしていきたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。
今回の内容
- 栄養素とは?
- 栄養素の種類と役割
スポンサードサーチ
栄養素とは?

そもそも「栄養」とはなんでしょうか。それは生物が成長・生存するために必要な成分を取り入れ体内で利用することです。では「栄養素」とはなにか、それは体内に取り入れる成分のことを示します。その成分の基本はタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルです。これらを合わせて5大栄養素と言われており、さらに水、食物繊維を合わせて7大栄養素、さらにさらにファイトケミカルを加えて8大栄養素などと言われています。本稿ではひとまず5大栄養素+水について解説していきたいと思います。
栄養素の役割は自動車の構成部品に例えるとわかりやすい

ガソリン = 炭水化物:糖質(身体を動かすエネルギー)
ガソリン = 脂質:脂肪(身体を動かすエネルギー)
エンジンオイル = ビタミン(身体の機能を調節する)
エンジンオイルおよび車体 = ミネラル(身体を作る成分であり調節もする)
エンジンの冷却水 = 水
栄養素の種類と役割
タンパク質

タンパク質の主要な供給源は肉、魚、卵、大豆、牛乳などで、基本的にはアミノ酸に消化されてから血液中に吸収されます。吸収されたアミノ酸は筋肉や内臓のタンパク質の他、酵素やホルモン、抗体の材料として利用されます。また、アミノ酸をエネルギー源として消費したり、ブドウ糖や脂肪に変換したりする代謝経路もあります。タンパク質はエネルギー源として1gあたり4kcalのエネルギーを生産します。
断食などによる絶食が長期間にわたるとブドウ糖が不足してくるため、筋肉や内臓のタンパク質を分解し、生じたアミノ酸からブドウ糖が合成されます。これを糖新生と言います。体内のグリコーゲン(ブドウ糖の集合体みたいなやつ)が少ないなど、炭水化物が不足した状態で運動すると、汗への尿素窒素量が増えると言われており、これは糖新生のために体タンパク質の分解が増えたことを意味しています。逆に言えばグリコーゲンやタンパク質が充足されていれば、体タンパク質の分解が少なくて済むということになります。
「タンパク質は食べても太らない」というのは正しい?答えはNOです。
身体を作るときに使用できるタンパク質の量には上限があり、上限を超えて摂取したタンパク質はエネルギー源として消費されたり、脂肪に変換されて蓄積します。タンパク質がエネルギー源として利用されると、炭水化物や脂肪が利用されづらくなり、結果的に体脂肪として蓄積されることになります。したがってタンパク質を取りすぎてしまうと太る場合もあります。※適度に運動していたり、トータルのエネルギー摂取量が少ない場合はその限りではありません。
炭水化物
炭水化物は糖から成り立つので糖質とも呼ばれており、その主要な供給源は米や小麦です。糖質は吸収されるのが早いため、エネルギー源として利用されやすいのが特徴です。糖質は下記に示すように3種類に分類されています。
二糖類:砂糖、乳糖、麦芽糖など
多糖類:でんぷん(もち米、ジャガイモなど)
炭水化物の主要な役割はエネルギー源であり、1gあたり4kcalのエネルギーを生産します。体内では筋肉や肝臓にグリコーゲンという形で蓄えられています。グリコーゲンは運動をするとエネルギー源として消費されるので、運動後には補充して回復する必要があります。回復過程では摂取した炭水化物がブドウ糖に分解されてから吸収され、それが筋肉や肝臓で再び結合してグリコーゲンになります。
脂質

脂質とは水に溶けず、エタノールなどの有機溶媒に溶ける物質のことを言います。食品や体内の脂質には中性脂肪、コレステロール、リン脂質などがあります。
中性脂肪
食品に含まれる脂肪や体脂肪として体内に貯蔵されており、エネルギー源として重要です。脂肪は1gあたり9kcalで、炭水化物やタンパク質の2倍以上のエネルギーを生産することができます。
コレステロール
コレステロールは少ないほどよいと思われがちですが、実はそうではありません。コレステロールには下記のような重要な役割があります。
胆汁酸の材料:脂肪の消化・吸収に必須
ビタミンDの材料など
リン脂質
リン脂質とコレステロールは細胞膜の構成成分です…と言われてもいまいちピンとこないですよね。細胞膜とは、37兆個ある人間の細胞と細胞の間に張っている膜のことです!やはりピンときませんがそういうことです…。
「脂質も少なければ少ないほど良い?」答えはNOですが、とは言えやはり多ければ良いものでもありません。
脂肪を構成する脂肪酸の中には必須脂肪酸と呼ばれるものがあり、これは必ず摂取しなければなりません。リノール酸とかα−リノレン酸がそれに当たりますが、近年の食生活の欧米化により、特にオメガ6系のリノール酸に関しては取りすぎている傾向にあります。取りすぎると免疫細胞が働きにくくなり、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性炎症疾患を引き起こすとも言われているので注意が必要です。
ビタミン

ビタミンはタンパク質、炭水化物、脂質の代謝に関わりますがエネルギー源や身体の構成成分にはなりません。必要量は非常に少ないですが、体内で合成することができないため食事で摂取しなければなりません。
ビタミンは取れば取るほどよい?答えはNOです。不足してもダメ、過剰すぎてもダメです。
まず、ビタミンは脂溶性と水溶性に分けられ、下記のような特徴があります。
脂溶性 | 役割 | 欠乏症 | 供給源 |
A | 視覚機能、免疫能など | 成長障害、夜盲症など | 乳製品、野菜類、レバーなど |
D | カルシウム代謝、骨形成 | くる病、骨粗鬆症など | 魚介類、キノコ類、日光浴 |
E | 抗酸化作用 | 溶血性貧血、神経・筋障害など | 植物油、卵類 |
K | 血液凝固作用、骨形成 | 血液凝固遅延 | 葉菜類、豆類、海藻類、発酵食品など |
水溶性 | 役割 | 欠乏症 | 供給源 |
B₁ | 炭水化物代謝 | 脚気 | 肉類(豚肉)、豆類、緑黄色野菜など |
B₂ | 炭水化物・脂質代謝 | 口内炎、皮膚炎など | 魚介類、肉類、キノコ類など |
ナイアシン | 炭水化物・脂質代謝 | 皮膚炎、下痢、精神障害 | 魚介類、豆類 |
パントテン酸 | 炭水化物・脂質代謝 | 成長障害、皮膚炎、食欲不振 | 卵、大豆、魚介類で特に多い |
ビオチン | 炭水化物・脂質代謝 | 通常は認めない | レバー、豆類、卵黄など |
B₆ | タンパク質・アミノ酸代謝 | 皮膚炎 | 魚介類、肉類、豆類など |
葉酸 | 造血作用 | 巨赤芽球性貧血 | レバー、緑黄色野菜など |
B₁₂ | 造血作用 | 巨赤芽球性貧血 | 魚介類、肉類 |
C | コラーゲン合成、抗酸化作用、鉄吸収促進 | 壊血病 | 果実類、野菜類など |
ビタミンはとても種類が多いです。したがって、どの食品にどの程度含まれているかを考えるよりも肉、野菜、穀物、果物などを適度に摂ることのほうが実用的だと思います。日常的にサプリメントを使っている方は少なくとも過剰にならないように意識する必要があります。
「ビタミンは加熱すると分解されてしまうから、野菜は生のまま食べたほうが良いのでは?」
たしかに分解されますが、すべての要素がなくなるわけではありません。事実、加熱したほうがたくさん食べられるし食中毒などのリスクも減ります。生野菜に強くこだわる必要はないと思います。
ミネラル

ビタミンと同じようにミネラルも必要量は少ないものの必須の栄養成分です。ミネラルの役割も多岐にわたりますが、身体の構成成分になるものが含まれています。なお、ミネラルはどんな動物も植物も体内で作ることはできないため、自然の中から摂取する必要があります。
ミネラルは取れば取るほど良い?答えはNOです。ビタミン同様、不足してもダメ、過剰すぎてもダメです。
ビタミン同様、摂取量を増やしたからといって機能が高まるわけではありません。あくまでも身体の正常運転をサポートする役割であることを忘れてはいけません。不足すると関連機能に悪影響が出ますし、過剰すぎても問題があります。日常的にサプリメントを使っている方は摂取量をきちんと守りましょう。
水

成人では体重の60%が水分です(体重60kgならば、うち36kgが水分)。なお、水分といえば血液です。血液は体重の7%程度(体重60kgならば、うち4.2kg)と言われています。数値を見てわかるように身体の水分の多くは血液以外の部分であり、細胞内やそれら細胞と細胞の間に存在しています。たくさんの栄養素がありますが、それら栄養素は血液、すなわち水分を介して全身に運ばれます。そして運ばれた先での代謝も水分を介して行われています。
水分は1日にどれくらい出たり入ったりしている?
入 | 出 | ||
飲料水 | 1,200ml | 尿 | 1,300ml |
食物 | 800ml | 大便 | 100ml |
代謝水 | 300ml | 不感蒸泄 | 900ml |
不可避尿 | 500ml |
まとめ
・栄養素とは体内に取り入れる成分のことで、その成分とは5大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)+水のことです。
・車体:タンパク質 ガソリン:炭水化物と脂質 エンジンオイル:ビタミン エンジンオイルおよび車体:ミネラル エンジンの冷却水:水
・タンパク質と炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを生産します。
・ビタミンとミネラルは主に「身体の正常運転」をサポートする役割があり、体内で合成できないので食事や自然の中から摂取する必要があります。
・水分は体重の60%を占めており、代謝に欠かせない成分です。
次回の内容
- 栄養素は不足も過剰も良くない
- 食品の成分
- 食品は体積や重量が同じでもエネルギーは同じではない
参考資料