【抑うつ・せん妄】認知症と間違えやすい症状|それぞれの違いについて

高齢の両親を心配する家族
『 認知症と抑うつ、認知症とせん妄って違うの?どう違うのか教えてほしい。 』
そんな質問にお答えします。今回は認知症と抑うつ・せん妄の違いについて解説します。症状が似ているので一見するとわかりづらいですが、まったくの別物です。抑うつとせん妄はきちんと治療をすれば完治するので、安易に認知症と決めつけてはいけません。
※現在、認知症専門医のもとで勉強中です。ここでは認知症に関して得られた知見などを少しずつ公開していきます。
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抑うつ
まずは言葉を整理しましょう。抑うつとは下記のような症状が表れた状態です。うつ病や躁うつ病で表れるのが一般的ですが、実は認知症の最初期にもしばしば表れるのでその点は注意が必要です。
せん妄
何らかの原因により突発的に起こるのが特徴。通常は一過性なので、原因を取り除けば改善が可能です。せん妄と認知症の症状はよく似ていますが、まったくの別物なので要注意です。以下のような症状が挙げられます。
薬の副作用による、せん妄
年齢を問わず多量の薬を服用している方は要注意。特に中高年以上で何らかの基礎疾患を合併している場合、少量の薬でも特異的に反応することがあります。用法用量を正しく守って服用しましょう。
認知症の患者が別の病気を合併した際、せん妄になることがある
突然、今までにないような『 おやっ? 』と思う症状が見られたときは、認知症だから仕方がないと考える前に、他に原因がないか検討する必要があります。内科的疾患、心疾患、脳梗塞などが見つかることもあります。
認知症と抑うつ・せん妄を区別しなければいけない理由
認知症と抑うつ・せん妄では治療方法が異なるからです。抑うつ・せん妄であれば、原因をきちんと治療することで完治が可能です。とはいえ、認知症とよく似た症状(注意障害や幻覚・妄想など)を起こすので判断が難しいところではあります。そんなときは認知症専門医の力を借りましょう。悩む前にまずは相談です。
注意障害とは?
注意障害の症状は集中力や根気が続かなかったり、些細なミスをしてしまったり、言われたことをうっかりと忘れていたなどが挙げられます。我々でも仕事でグッタリしたときはこんな状態ですよね。注意障害というと大げさですが、意外と身近な症状です。
抑うつ・せん妄の患者には高確率で注意障害が存在します。ボーっとしていたり、妙に忘れっぽかったり、同じことを何度も言ったり聞いたりするので、周囲の人間は違和感を感じるかもしれません。認知症と疑ってしまいますが、症状の根底には注意障害が潜んでいる可能性があります。適切な検査をして原因を突き止める必要があります。
不安でどうしようもなくなる前に受診しましょう
『 神経内科 or 認知症外来 or 物忘れ外来 』で検索してみましょう。名前を聞くと敬遠したくなりますが、まずは相談です。きっと力になってくれます。
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認知症になっても安心して暮らせる社会へ