Written by M.Ken'ichi

【中年太り】原因は3つ、対策は1つ。

ダイエット

前回の内容はこちら

【初心者向け】ダイエットで失敗しないための基礎知識/「身体組成」計っていますか?
「体重、脂肪組織、除脂肪組織」「身体組成の測定方法」「体型指数(BMI)」

今回の内容

  • 筋肉を落とさずに脂肪だけを落とすのは可能か
  • 減量による体重減少には個人差がある
  • 中年太りの原因 ‐ ➀基礎代謝が減るため ‐
  • 中年太りの原因 ‐ ➁太る体質の遺伝子の存在 ‐
  • 中年太りの原因 ‐ ➂少食は太りやすい ‐
  • 中年太りへの対策 ‐ エネルギーを消費する ‐

中年太りでお悩みの方 そういえば40歳過ぎてから太ってきたな~。お腹とか二の腕とかやばい…。健康のことも考えるとそろそろダイエットしないとまずいかな。そもそもなんで中年太りになっちゃうんだろう?

そんなお悩みにお答えします。
 
今回のメインテーマは 中年太りの原因と対策について です。前半に余談も含みますが大切なことなのでついでに覚えておきましょう!

こんにちは。ケンイチです。仕事柄、運動や栄養について考えることが多いです。このブログではその過程で得た知見などをちょっとずつアウトプットしていきたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

スポンサードサーチ

筋肉を落とさずに脂肪だけを落とすのは可能か【結論:可能です。ポイントは食べる量をあまり減らさないこと】


まずは減量したときの≫身体組成がどのように変化するのかを考える必要があります。

 減量前に体脂肪が多いほど減量による筋肉などの除脂肪組織が減少しにくく、逆に体脂肪が少ない人が減量すると除脂肪組織が減少しやすい。‐ Forbesら(2000年)の報告 ‐

つまり 肥満のほうが減量時に筋肉が落ちにくく、逆に筋肉質のほうが減量時に筋肉が落ちやすい ということです。
他にも エネルギー制限が大きいと減量中の除脂肪組織が減少する と言われています。つまり 極端に食べる量を減らすダイエットを行うと、脂肪よりも筋肉が落ちやすくなる ということです。ついついやりがちですが、極端な食べないダイエットにはくれぐれも気をつけましょう。
改めて題名についてです。「 筋肉を落とさずに脂肪だけを落とすのは可能か?=食べる量をあまり減らさないこと 」が重要です。そして食べる量を減らさずに減量するには 「エネルギー消費量を増やす」 しかありません。そう、つまり 「運動」 をするしかないということです。

減量による体重減少には個人差がある

減量による筋肉の減少が小さい = 減量に適する = 痩せにくい
減量による筋肉の減少が大きい = 減量に適さない = 痩せやすい

減量に適応した人の特徴

・体重が減少しにくい
・筋肉などの除脂肪組織も減少しにくい
・安静時代謝が低下しやすい

減量に適応しなかった人の特徴

・体重が減少しやすい
・筋肉などの除脂肪組織も減少しやすい
・安静時代謝が低下にくい

ちょっとややこしいですね。これは「 ヒトを生きもの 」として考えると合点がいきます。たとえば野生の動物はいつでも食事にありつけるわけではありません。したがって 食料が不足したときには代謝を下げることが生き残ること に直結します。 筋肉はエネルギー消費が多い組織なので、エネルギーが不足したときには必要最低限にまで減少・萎縮させます。 非常に合理的にできています。人間界で考えるとアスリートや筋トレマッチョさんです。彼らは「 生きもの 」として必要のないほどの筋肉量を持っています。運動をやめると筋肉が減っていきますが、それは自然の摂理なので当然のことですね。

中年太りはなぜ起こるのか


ここからが本題です。中年太りはなぜ起こるのでしょうか。原因は主に3つです。

原因➀:基礎代謝が減るため

中年以降、人は太りやすくなります。ずばり 基礎代謝が減るため です。 基礎代謝は40歳を過ぎたあたりから急激に減少し始めます。では具体的にどのくらい太りやすくなるのか具体例を見てみましょう。

表の説明です。体重60kgの場合、基礎代謝は20歳代では1,440kcal/日、40歳代では1,388kcal/日になり、1日あたり102kcal減少します。これだけならば微々たるものですが、1年間に換算すると525,600kcalから488,370kcalとなり、37,230kcalの減少となります。したがって、40歳代になっても20歳代と同じような食生活をしていると、1年間に37,230kcalのエネルギーが余る ことになります。もちろん余ったエネルギーは脂肪として蓄積します。その 蓄積した脂肪量はおよそ5kg となります。+5kgの体脂肪をまとった状態を想像できますか?さすがに見てわかるくらいの変化は起きそうですよね。中年以降太りやすくなると感じるのは気のせいではなく本当のようです…。

20歳代 40歳代 変化程度
基礎代謝基準値(kcal/kg/日) 24.0 22.3 -7%
基礎代謝量(kcal/日) 1,440 1,388 -102
基礎代謝量(kcal/年) 525,600 488,370 -37,230
脂肪量に換算 約5kg

中年以降、基礎代謝が低下する理由【結論:筋肉量が減るため】

筋肉は加齢につれて減少します。また基礎代謝において筋肉が占める割合は大きく、筋肉以外の組織の代謝量は加齢による影響をさほど受けないと言われています。これらのことから、中年以降の基礎代謝の低下は筋肉量が減ることが大きな原因 と考えられます。筋肉の減少を防ぐことは基礎代謝の低下を軽減し、太りにくくなることにも役立つ というわけです。

加齢による筋肉の減少スピードはみんなが同じとは限らない【結論:貯筋が大切。特に太ももとお尻】

加齢による筋肉の減少はある程度仕方のないことですが、日常的に使っていればその減少スピードは緩やかになります。特に高齢者ではその差がものすごく顕著に表れます。日常生活をまともに過ごせるか否かくらいの差です。高齢者に限らずとも中年以降の考え方は同じです。とにかく「 貯筋 」をしましょう。今すぐ筋トレを始めましょう。とりあえず 太ももとお尻 を鍛えておけばOKです。

筋肉の種類とエネルギー源

人や動物、魚にも共通していることですが、「 筋肉には赤っぽいもの(赤筋)と白っぽいもの(白筋)」に分けられ、主に以下のような特徴があります。

赤筋脂肪 をエネルギー源としてよく利用する。
   遅筋と呼ばれ、長時間にわたり力を発揮し続ける のに適している。

白筋炭水化物 をエネルギー源としてよく利用する。
   速筋と呼ばれ、短時間に爆発的な力を発揮する のに適している。

人は加齢によって白筋の割合が増える。白筋の割合が多いことと太っていることは相関する可能性がある。- Kriketos ADら(1997年)の報告 ‐

これは極論ですが、 中年以降太りにくくするためにはウエイトトレーニングのような強い強度で白筋を鍛える運動よりも、ジョギングやランニングといった低い強度で長時間にわたり赤筋を使うような運動のほうが良い と言えるかもしれません。まあでも個人的には両者をうまく取り込んだ運動がベストだと考えています。

原因➁:太る体質の遺伝子の存在

どうやら遺伝的に太りやすい人はいるようです。太る遺伝子はいくつかあるようですが、β3-アドレナリン受容体 がよく知られています。ここ数年、遺伝子検査がわりと手軽に行えるようになっています。おそらく下記2社が有名どころです。太りやすい体質云々だけでなく、肌質や生活習慣病のリスク についても知ることができます。興味のある方は1度試してみても良いかもしれません。

≫遺伝子検査のジーンライフ
≫遺伝子検査・DNA検査のマイコード

話を戻します。「 アドレナリンは運動時に血中濃度が高まるホルモンで、心拍・血圧・血糖値を高めたり、脂肪組織に貯蔵してある脂肪を分解してそれらの脂肪をエネルギーとして筋肉へ供給したりする作用 」があります。「 β3-アドレナリン受容体は脂肪組織に存在し、アドレナリンの刺激を受けると貯蔵されている脂肪を分解 」します。したがって β3-アドレナリン受容体に遺伝子的な変異があると、脂肪組織がアドレナリンの作用を受けづらくなり、貯蔵されている脂肪が分解されにくいため、結果的に痩せにくかったり太りやすかったりします。
余談ですが、痩せにくいとか太りやすいというのは逆に言えば 飢餓に強い ということでもあります。しかし、食料に困ることのない現代の日本人にとってはやはりマイナスなのかもしれません…。

原因➂:少食は太りやすい

減量には食事制限が重要ですが、食事制限をし過ぎると太りやすくなる可能性があります。

マラソンランナーにおいて、普段から少食だとトレーニング以外の時間帯におけるエネルギー消費量が少なくなり「 省エネ型 」の身体になる。- Thompson JLら(1995年)の報告 –

この現象は冬眠する動物たちと似ています。「 省エネ型 」といえば聞こえはいいかもしれませんが、これは 摂取したエネルギーが消費されずに蓄積しやすい、つまり太りやすくなる ということです。「省エネ型」でも日常的に運動をしていればおそらく太りませんが、運動習慣のない「省エネ型」の人は気をつける必要があります。そして、極端な少食は栄養面から考えても勧められません。

運動習慣のない「省エネ型」の人は悪循環に陥りやすい

 「 ➀エネルギーを消費しない → ➁お腹が減らないから食べなくても大丈夫 → ➂省エネ型となりエネルギーが蓄積しやすい → ➃太りやすい → 以下➀~➃のループ 」
なんとなくイメージできますかね。「省エネ型」の人はこのような負のサイクルを繰り返しています。「省エネ型」を脱却し太りにくい身体にするには、この負のサイクルをどこかで断ち切らなくてはいけません。

中年太りへの対策


ここからは対策です。対策は1つ。運動してエネルギーを消費することです。

対策:エネルギーを消費する

エネルギーを消費する方法として、単純に「 筋肉量を増やす 」方法があります。

 中高年男性が16週間の筋力トレーニングを行ない、その前後の体重や身体組成などを調べた。トレーニング前後で体重はほとんど変化しなかったが、体脂肪率は低下し、除脂肪組織量と安静時代謝は増加した。特に安静時代謝は1日あたり120kcal増加した。‐ Pratley Rら(1994年)の報告 ‐

代謝量が1日あたり120kcal増えると、1年間で43,800kcal増加します。体脂肪は1kgあたり約7,000kcalなので、単純計算をするとトレーニング後には動かなくても年間に6kg以上の体脂肪が減少します。したがって「筋肉量を増やす」方法はアリということになります。

120kcalのエネルギーを消費する運動は以下の感じです。

「 ジョギング20分程度、エアロビクス35分程度、速歩き40分程度、散歩90分程度 」

毎日このような運動ができれば良いのですが、ぶっちゃけ時間はかかるし毎日はきつい…という方が大半かと思います。なので、そんなときの筋力トレーニングです。定期的に筋力トレーニングを組み込むことで筋肉量を増やし、運動ができなかった日でも運動した日と同じようにエネルギーを消費できるので大変おすすめです。

太りにくい身体にするための筋力トレーニングでは、ゴリゴリのムキムキになる必要はまったくありません。考え方はとても単純です。中高年になって減ってしまった筋肉を太りにくかった若い頃の量に戻せればOKです。ただし、完璧に戻すのはちょっと大変なので 近づけることを目標 にすると良いでしょう。

本気で取り組むのならば、「 毎日時間をかけて運動しつつ、定期的に筋力トレーニングを行なって代謝量を増やし、適量の食事を取る 」ことが理想です。大変ですけどね。以前、私が関わった方々は多少日数がかかりましたが、一生懸命に自分と向き合い取り組んだ結果、あまり無理なくダイエットに成功しています。結果が出るにつれて皆さんイキイキとしてきたし、とても楽しそうに話してくれます。「 楽しめると継続するエネルギーになる 」と強く感じたタイミングでした。

まとめ

中年太りの原因は主に3つ「 ➀基礎代謝が減るため ➁太る体質の遺伝子の存在 ➂少食は太りやすい 」です。そして対策は「 エネルギーを消費する 」ことです。今回はわりと総論的なことしか触れていませんが、このあたりの知識を取り入れるのはとても重要です。ふわっとでも良いので意識してみましょう。今後「 中年太り脱却に向けた具体的なアプローチについて 」書いていこうと思います。

参考資料

 ジムに通う人の栄養学