理学療法士になって後悔したこと【ベスト3】

理学療法士を目指している人/現役の理学療法士
『理学療法士になって後悔したことがあれば、参考までに聞いてみたい。』
そんな質問にお答えします。
現役の理学療法士です。この記事を書いている時点で間もなく14年目になります。完全に私見ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。ついでになんとなくでも共感していただけると嬉しく思います。
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本日の内容
- はじめに
- 自己研鑽という名の自己投資を強いられることが多い
- 医療業界というちょっと特殊で狭い世界に染まってしまう
- 給料が安い
- おわりに
はじめに
異動や転職を含めると、整形外科病院→クリニック→個人医院→老人保健施設→訪問看護ステーションを経験してきました。今回は、今のところ感じている『理学療法士になって後悔したこと』について少しまとめてみました。
【理学療法士】退職(実質クビ)後、メンタルを病んで2ヵ月間のニート生活を経てから再就職した話 | matsukenblog
理学療法士として働き始めて8年目。退職(実質クビ)後、メンタルを病んで2ヵ月間のニート生活を経てから再就職したお話です。退職までの経緯がちょっと特殊かもしれませんが、同じくメンタルを病んでいる理学療法士さんにとって、ちょっとでも救いになれば幸いです。こんなバカも世の中にいて、こんなやつでも復帰できるんです。
自己研鑽という名の自己投資を強いられることが多い
理学療法士である以上、専門知識や技術の習得が求められるため、多かれ少なかれセミナーに参加することになるでしょう。セミナー料金はピンキリですが、座学だけであれば数千円、ハンズオンセミナーであれば数万円はかかってきます。ハンズオンセミナーは時間をかけて受講生に伝える必要があるため、基本的に少人数制です。したがって、どうしても受講生一人当たりの料金が高くなる傾向です。
さて本題ですが、自己研鑽というと聞こえはいいですよね。実際、私もセミナーにたくさん参加していた時期がありましたが、それはそれでなかなか充実していたと記憶しています。「がんばっている俺ってカッコイイ」とか思っており、同時に自己研鑽をしない人を否定的に捉えていたりもしました。
ただその反面、出ていくお金もバカになりません。セミナー料金に加え、場所によっては交通費や宿泊費などがかかります。職場によっては補助金が出るところもありますが、全額ではないでしょう。
後述しますが、理学療法士の給料は決して高くありません。独身であれば多少の余裕はあるでしょうが、家族がいると一気に苦しくなります。そんな中からセミナー料金を捻出するとなると、やっぱり苦しいです。
自己研鑽のために自己投資をすれば、きっと患者のQOLは上がるでしょう。しかし、自分のQOLが下がってしまっては元も子もありません。患者を思う気持ちは大変結構ですが、自分のこともしっかりと考える必要があります。
自己研鑽や自己投資を否定するわけではありません。むしろ続けたほうが良いでしょう。以前ほどではないにしろ、私も自己研鑽や自己投資は続けています。知らなかったことが知れるって最高に楽しいですし。
大切なのは「本当に必要なセミナーなのか」をきちんと見極め、やみくもに参加しないことです。無論、参加しなければ必要か否かはわかりませんが。さらに収入と支出のバランスをとりつつ、自分のQOLが下がり過ぎない程度に続けるのが重要かと思います。
医療業界というちょっと特殊で狭い世界に染まってしまう
これは後悔なのかと問われると、もしかしたら見当違いかもしれません。しかしですね、まあ医療業界はちょっと特殊で狭い世界だなと感じている次第です。というのも、いわゆる一般的な社会とは隔てられた業界だからです。以下、ものすごい私見です。
理学療法士は新人だろうがベテランだろうが、患者からは「先生」と呼ばれることが多いです。さらに「おかげさまで良くなりました」とか「感謝しています」とか、病院やクリニックにいるとしょっちゅう言われることでしょう。
いわゆる一般的な会社では先生なんて呼ばれることはないし、しょっちゅう感謝されることもそうそうないのではないかと思います(わかりませんが)。
こんなことが続くと、多少なりとも「自分はすごい」「自分はできる」「自分はえらい」みたいな勘違いが生じます。結果、本来の自分の程度を見失ってしまいます。自信を持つことは大変結構ですが、心にブレーキをかけながら進まないと、どこかのタイミングで足元をすくわれてしまいます。謙虚さは大切だなと、つくづく感じる次第です。
それと偏見かもしれませんが、私も含めた専門職は社会に対する関心がどうも薄い気がします。つまるところ興味の問題なのでしょうが、医療業界という狭い世界に身を置いていることもおそらく影響しています。要は日常的に外部からの刺激や情報が入ってこないか極端に少ない、そもそも知らなくても別に困らないため考える機会が少ないのです。
実際日々の業務に追われているので、よっぽど意識しなければそういった「本業とは関係なさそうな情報」に対してアンテナを張る人は少ないのでしょう。「本業とは関係ないのだから別にいいでしょ」と言われればそれまでですが、視点を変えたり視野を広げたりという意味では、やっぱりどんな情報にもアンテナを張っておくべきだと思います。
いずれにも言えることですが、結局は自分の意識次第ですね。
余談ですが、仕事をしながら情報収集がしたければ整形外科クリニックがおすすめです。都心部であれば尚良いですが、地方でもできるだけ街中にあるところが良いです。働き盛りの会社員がそれなりに来るので、様々な有益な情報を聞くことができます。治療中はどのみちマンツーマンなので、雑談程度に聞いてみると楽しいですよ。
給料が安い
一番気になる話題でしょう。ぶっちゃけ、理学療法士の給料は安いです。まじで。10年以上働いても手取りはほぼ変わりありません。残酷な世界です。いくら安定した職業だからって、低水準で安定しすぎです。
職場や地域によって差はあるにせよ、ほとんど変わらないと言えます。そもそも医療業界全般、保険制度というか診療報酬の都合上、いやパワーバランスの兼ね合いから言っても、基本的に医師以外は儲からない仕組みになっています。
別に詳しいわけではないですが、理由としてはやはり政治力でしょう。医師会の政治力は強大です。国会議員も多数在籍していることもあり、政府にモノを言える唯一の医療従事者と言えます。看護師協会にも国会議員はいますが、さすがに医師会ほどの影響力はありません。
理学療法士はというと、一時期在籍していたものの現在は理学療法士の国会議員が不在です。我々の給料を上げるには、国会議員を立てて少しでも政治力を強くするしかありません。
さてここで問題。診療報酬や医療制度に関わっている機関はどこかというと、基本的には厚生労働省です。では診療報酬を決めるための、そもそもの医療費予算を決めている機関はどこかというと、それは財務省です。
なんとなく話の流れを汲み取っていただきたいのですが、とりあえず現状において給料がポンッと上がることは絶対にあり得ません。では何をしたら良いか。繰り返しになりますが、やはり理学療法士のみならず医療従事者は、上記の理由によりまずは政治に関心を持つべきです。そして影響力や発言力を持つためにも国会議員を立てる必要があると言えます。
まとめ
かなり偏った意見だったかもしれませんが、あくまでも私見なのでお許しいただけたらと思います。まだまだ言葉にしきれなかったり、浅はかだったりしますが、率直に感じていることをお伝えしたつもりです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。