Written by m.kenichi

【理学療法士】整形外科クリニックで働くメリット・デメリット

理学療法士

就活中の理学療法士
『整形外科クリニックに勤めようかと迷ってる。メリットやデメリットがあれば参考までに聞いてみたい。』

そんな質問にお答えします。

14年目の理学療法士です。これまで整形外科病院→整形外科クリニック→介護老人保健施設→訪問看護ステーションを経験してきました。

今回は理学療法士が整形外科クリニックで働くメリット・デメリットについてお話します。あくまでも私見ですが、それぞれ5つ挙げてみました。最後までお付き合いいただけたら幸いです。

スポンサードサーチ

本日の内容

  • はじめに
  • メリット①:整形外科疾患に専念できる
  • メリット➁:老若男女問わず接する機会がある
  • メリット➂:コミュニケーション能力が鍛えられる
  • メリット➃:書類業務や委員会活動が少ない
  • メリット⑤:長期休暇(年末年始、お盆、GW)は確実に休める
  • デメリット①:整形外科疾患以外の経験値が乏しくなる
  • デメリット➁:短時間での成果が求められる
  • デメリット➂:スケジュール管理が必要
  • デメリット➃:他部署・他職種との関わりが極端に少ない
  • デメリット⑤:有休が取りづらい
  • おわりに

はじめに

おそらく、人によってメリットとデメリットの感覚が違うと思います。それってメリットなの?それってデメリットなの?と思うかもしれませんが、ひとまず私の経験上でのお話をさせていただきます。

メリット①:整形外科疾患に専念できる

整形外科クリニックを希望する大多数の理由はこれでしょう。「整形外科疾患が診たい」「スポーツ外傷が診たい」「解剖学や運動学が好き」みたいな方は整形外科クリニックが選択肢に入ります。実際、めっちゃ楽しいと思います。もれなく私もそうだったので、気持ちはとてもよくわかります。

医師の専門領域(肩、股、膝、スポーツなど)や地域性にもよりますが、整形外科疾患であれば大体診ることになります。現場では「疼痛や拘縮などの機能障害に対する知識」「動作分析のスキル」「論理的思考能力」がフルに試されます。

整形外科の基本はなんと言っても『解剖学』の知識です。とにかくコレがなければ何も語れません。苦手な人はとことん苦手でしょうが、好きな人にとってはたまらない分野でしょう。

メリット➁:老若男女問わず接する機会がある

老若男女とはいえ「老」が多いのはどこに行っても同じだと思いますが、世の中には様々な人間がいるのだなと感じます。患っているとはいえ基本的にみんな元気なので、純粋に会話が楽しいと思います。

治療中は本質的な話題以外、要は雑談もたくさんします。医療業界は狭い世界です。社会的な意味で視野が狭くなりがちな我々にとって、クリニックの外来は外部の人間と通じるための窓口とも言えます。

雑談を通じて他の仕事や知識、土地の風習や出来事、趣味など、知らなかったことをたくさん教えてもらいました。そういう意味において、クリニックは貴重な社会勉強の場とも言えます。もしかしたら素敵な出会いもあるかもしれません。

メリット➂:コミュニケーション能力が鍛えられる

自然にコミュニケーション能力が鍛えられます。私もいわゆるコミュ障ですが、なんとかなります。そもそもコミュ障の特徴は「何を話したらいいのかわからない→経験値が稼げない→何を話したらいいのかわからない→経験値が稼げない」みたいな悪循環の結果だと思っています。

でも大丈夫。強制的にコミュニケーションの場に立たされるので、イヤでも話さなければなりません。とはいえ、何もいきなり世間話から始める必要はありません。私たちはあくまでも理学療法士。まずはというか当然ながら、本質的な会話から始めればよいのです。

整形外科疾患の多くは疼痛が主体なので、例えば「自己紹介→どこが痛いどこですか→どういうときに痛いですか→いつから痛いですか→どのくらい痛いですか→ちょっと診させてもらいますね」など。要は理学評価のテンプレートがそのままコミュニケーションになります。

その過程で生活習慣や趣味、場合によっては仕事の話題などに触れることになります。さすがにいきなり根掘り葉掘り聞きませんが、すべては理学療法の一環。相手からしても違和感は少ないでしょう。

聞き役、質問役に徹していれば自然とコミュニケーションは成立。相手との信頼関係も確立できます。ついでに理学療法に必要な情報収集も行えちゃうわけです。

メリット➃:書類業務や委員会活動が少ない

病院や介護施設に比べたら、書類業務も委員会活動も圧倒的に少ないです。書類業務はせいぜいカルテと計画書くらい。委員会活動なんて少ないというか、そもそも存在しないクリニックのほうが多いでしょう。

書類業務(カルテ以外)ほど無駄な作業はないでしょう。書いたからと言って患者に還元されるわけではありません。ただただ時間の無駄使いで仕事が増えるだけなので、そこに割く労力は必要最低限に留めましょう。今となっては書類業務が少なかったクリニック時代が懐かしい。

メリット⑤:長期休暇(年末年始、お盆、GW)は確実に休める

クリニックは基本的に個人医院です。経営者である医師も人間なので、やはり長期休暇が欲しいところ。したがって年末年始やお盆、GWは確実に連休となります。

施設によってはカレンダー+αで休めるところもありますが、この辺は医師の判断(性格)によるでしょう。ちなみに病院によっては、休日出勤があります。うーん、絶対に嫌ですよね。

デメリット①:整形外科疾患以外の経験値が乏しくなる

続いてデメリット。クリニックではどうしても整形外科疾患以外の経験値が乏しくなります。脳血管疾患の既往の方が稀にいらっしゃるものの、こればかりは運営の性質上、仕方がありません。

もちろん細かく言えば高血圧や糖尿病などの内科疾患、心不全などの心疾患を患っている方はいらっしゃいます。とはいえどこかしら身体が痛くて来院しているわけなので、やはり整形外科疾患への治療がメインとなります。

なおクリニックで対応する整形外科疾患の場合、基本的に局所の機能改善が目標になります。したがって、ADLに介護を要するような方は少ないのが現状なので、広義のリハビリテーションとしての意義(「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」)を考える機会が少なかったように感じます。

デメリット➁:短時間での成果が求められる

限られた時間内にどれだけ的確な評価や治療ができるか、そしてそれなりの成果が得られるか。「時間」という縛りプレイの中で圧倒的に実力が試されます。向いていない人にはとことん向いていないと思います。

忙しない治療現場においてできること、できないことがあるのは事実。そんな時はできるだけ理論的にわかりやすく説明し、納得してもらうしかありません。そのためにはやはり信頼関係の構築、つまりコミュニケーション能力が重要となります。そういう意味では、あまり大きな声では言えませんが「話術」も大切なのです。

デメリット➂:スケジュール管理が必要

基本的に予約制です。だいたいの現場では、おそらくスケジュールは自己管理だと思います。「Aさんは落ち着いてきたし時間内に終わりそう、Bさんはちょっと時間がかかりそう、Cさんは新規だからしっかりと時間を取らなきゃ」など、計画的に行動しなければならないので、ちょっとした遂行機能が試されます。

苦手な方もいるでしょうが、慣れてしまえばこれほど楽なことはありません。少し時間が欲しいとき、休みたいときなど、自分と患者の時間調整さえつけられたら、わりと自由を利かせやすいです。

デメリット➃:他部署・他職種との関わりが極端に少ない

そもそも医師や看護師、療法士、助手、事務員くらいしかいないので他部署もなにもありません。たまにスポーツトレーナーや柔道整復師が常勤している程度です。外部との関わりなんて、患者と業者くらいなものです。

病院や介護施設と比べてしまうと、クリニックは施設の規模が圧倒的に小さいです。したがって、一日中狭い室内にいるのが苦手な人には辛いかもしれません。さらに職員数も少ないので自然と「狭く、深い人間関係」になります。上手くハマれば結構ですが、これまた苦手な人にとっては問題かもしれません。

デメリット⑤:有休が取りづらい

多忙さに加え、少数精鋭なのでスタッフの代行が利きにくく休みづらい。さらに有休申請はおそらく医師に相談することになるでしょう。要相談とは言え「経営者が働いているのに休むのか」みたいな雰囲気は否めません。

大型連休こそありますが、有休だってきっちり使いたいですよね。休みやすい環境構築のためにも、医師との関係性は良好に保っておくことが重要でしょう。面倒くさいけど。

余談ですが、クリニックでは「平日午後休み、土曜日午後休み、日曜祝日休み」が多いと思います。何が言いたいかというと、一日休みが極端に少ないのです。やっぱり土日の連休は欲しい。土日が休みたければ、就職前に必ずチェックしましょう。平日の午後休みはありがたいですけどね。

おわりに

病院でも介護施設でもクリニックでも、どこで働いてもメリット・デメリットは存在します。結局選ぶのは自分なので、何をどこまでなら許容できるのか、デメリットを上回るメリットがあるのかなど、就職前にできるだけ考えておきましょう。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。