Written by M.Ken'ichi

【心理学】教育の心理学

心理学

子どもに勉強してもらいたい両親
『 勉強してもらいたいときにはどうしたらいいのかな。やる気をうまく引き出してあげる方法があったら教えてほしい。』

学生の本分といえば勉強ですが、子どもがなかなかやる気を出してくれないと悩んでいる親も多いと思います。やる気をうまく引き出すために、役立つ方法をご紹介します。

ここでは参考書籍から得た心理学の理論をもとにざっくりと解説していきます。無論、こうすれば間違いないという方法は存在しませんが、心理学はきっとあなたの助けになります。

スポンサードサーチ

本日の内容

  • 褒めてのばすのは心理学的に有効
  • 行動自体が楽しいと思って積極的に行動することは、心理学的にもっと有効
  • 期待をかけることが良い結果につながる
  • まとめ

褒めてのばすのは心理学的に有効

心理学
いわゆる『 アメとムチ 』です。アメとムチのような外部からの働きかけによって引き起こされるやる気のことを『 外発的動機づけ 』といいます。『 できたら褒める、できなかったら叱る 』というのは、もっとも簡単なアメとムチの例です。心理学的には褒めるほうが、後々良い結果につながることがわかっています。ひとつ、アメとムチの実験をご紹介します。

アメとムチの実験|心理学者エリザベス・ハーロックによる実験

小学生80人を集めて算数の試験を実施しました。試験を返却する際、子どもたちを3つのグループに分け、5回にわたって繰り返し行い、試験結果の推移を調べました。

  • グループA:試験の成績が良かったと褒める
  • グループB:試験の成績が悪かったと叱る
  • グループC:何も言わない
  • 実験の結果

    試験の成績が5回とも順調に伸びていったのはグループA(褒める)でした。一方、グループB(叱る)の成績は一時的に伸びましたが、その後は伸び悩みました。グループCはずっと伸び悩みました。これつまり『 アメ=褒めてのばす 』ほうが効果が持続し、有効であるとの実験結果になりました。

    行動自体が楽しいと思って積極的に行動することは、心理学的にもっと有効

    心理学
    心理学的には、行動すること自体を楽しいと感じ、積極的に行動するようになるほうがやる気につながると考えられています。これを『 内発的動機づけ 』といいます。

    内発的動機づけは、アメのような外的報酬(外発的動機づけ)をきっかけとして生じることがあります。そもそも外的報酬づけには「 あなたの行動を称賛している 」というメッセージが込められており、外的報酬を受け取った人は「 自分は、できる人間なんだ 」という意識を得ることができます。内発的動機づけは、この意識などの要因によって生まれると考えられています。

    期待をかけることが良い結果につながる

    心理学
    期待をかけることは良い結果につながると言われています。実験の内容を一つご紹介します。

    ピグマリオン効果|心理学者ロバート・ローゼンタールによる実験

    同じような知能指数をもつ小学生から、約1/5をランダムに選びます。続けて彼は、担任教師に対して「 あの子たちは有望だから、知能指数が伸びるだろう 」と、ウソの情報を伝えます。およそ1年後、選ばれた生徒たちの知能指数が本当に伸びました。

    実験の結果

    この結果は、教師が無意識のうちに生徒のやる気を引き出すような行動をとったために起きたものと考えられます。教師は、期待している生徒に対して「良い成績がとれれば褒める 」「 成績が悪くても叱りすぎない 」などの生徒のやる気が高まるような行動を思わずしてしまったのです。

    このような「 根拠のない期待 」を実現させる効果のことを『 ピグマリオン効果 』といいます。ピグマリオン効果は存在しないという実験もありますが、とても興味深い効果ですね。

    やる気が育つ要因として「 関係性の欲求 」があります。これは「 他人に認められたい 」という欲求です。とくに関係が良好な相手に自分が認められているという気持ちが、強い動機づけにつながると言われています。やる気をうまく引き出せないとき、相手との信頼関係を見直してみるのも大切です。

    まとめ

    『 外発的動機づけ 』
    「 アメとムチ 」など、外からの働きかけによって生まれるやる気のこと。褒めることと叱ることでは、褒めることのほうが教育的効果が高い。

    『 内発的動機づけ 』
    行動すること自体が楽しいと感じるために生まれるやる気のこと。外発的動機づけをきっかけに、徐々に生じる場合もある。

    『 ピグマリオン効果 』
    期待している相手に対しては、無意識のうちに、相手のやる気を引き出すような行動をとることがある。その影響で、期待通りの結果が実現する場合があるという効果。逆に、期待されないと結果がでなくなる「 ゴーレム効果 」もある。

    参考書籍

    暮らしや生活にいかす、心と行動の科学 心理学実践編,Newton別冊,2021