Written by M.Ken'ichi

認知症を引き起こす病気 ‐ 4タイプとその割合 ‐

認知症

両親の認知症を気にする家族『 認知症を引き起こす病気ってどんなものがあるの?いろいろとあるみたいだけど、ざっくりと教えてほしい。 』

そんな質問にお答えします。
ここでは認知症を引き起こす病気を4タイプに大別してそれぞれ原因となる代表的な疾患をピックアップしました。

※現在、認知症の専門医の下で勉強中です。ここでは認知症に関して得られた知見などを少しずつ公開していきます。

前回までの内容
‣認知症とは?ボケとの決定的な違い
‣それ、本当に認知症?ボケの他にも認知症と紛らわしい状態がある【抑うつ状態・せん妄状態】

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認知症を引き起こす病気 ‐4タイプ‐

  • 治療によって認知症が完治し得る病気
  • 認知症の進行を食い止めることができる病気
  • ゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気
  • 認知症が急速に進行し続ける病気

治療によって認知症が完治し得る病気

 ・慢性硬膜下血腫
 ・甲状腺機能低下症
 ・ビタミンB群欠乏症

※主に内分泌疾患や代謝性疾患が挙げられますが、そもそもの病気の頻度が低く適切な治療により完治できる可能性が極めて高いです。認知症によく似た症状を引き起こす『 せん妄 』とは異なりますが、これらの疾患も一時的なものということです。

認知症の進行を食い止めることができる病気

 ・脳梗塞
 ・脳出血
 ・脳挫傷

※これらの病気を有するすべての患者に認知症が生じるわけではありません。『 病気の後遺症 』として認知症が残ることがありますが、基本的に進行しません。ただし2回目や3回目と再発したり、別の病気を合併した場合は段階的に(階段を下るように)認知症の症状が加わっていきます。

ゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気

 ・アルツハイマー病
 ・レビー小体型認知症
 ・ピック病(前頭側頭葉変性症の一種)

※脳細胞に異常タンパク質が蓄積することで正常な脳細胞が弱っていきます。基本的に急速に進行するものではありませんが、年単位で少しずつ進行していきます。急速に進行する場合は何らかの病気を合併したり、何らかの原因でせん妄のような状態に陥っている場合があります。ついつい混同されがちなので要注意です。見極めるには丁寧な診察が必要となります。

認知症が急速に進行し続ける病気

 ・クロイツフェルト・ヤコブ病

※病気自体がごく稀です。これらの病気の患者には原則として認知症が生じます。週単位や月単位でみるみるうちに進行していくのが特徴です。

認知症を引き起こす病気 ‐ 4タイプとその割合 ‐

タイプ 割合
ゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気
‣アルツハイマー病、レビー小体型認知症、ピック病など
91%
認知症の進行を食い止めることができる病気
‣脳梗塞、脳出血、脳挫傷など
6%
治療によって認知症が完治し得る病気|認知症が急速に進行し続ける病気
‣慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB群欠乏症、ヤコブ病など
3%

※超高齢者を対象としたおおよその割合です。

ご覧いただいてわかる通り、認知症を引き起こす病気は圧倒的に『 アルツハイマー病、レビー小体型認知症、ピック病などのゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気 』がその割合を占めています。ただし都会や田舎では年齢層や生活習慣、医療機関への受診率などが違うので地域差があります。

そしておそらく日本中をくまなく検査すると『 ゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気 : 認知症の進行を食い止めることができる病気 = 1 : 1 』くらいの割合になることが予想されます。その理由は単純です。認知症の進行を食い止めることができる病気、つまり脳血管障害による認知症では病院を受診しないからです(日常生活に困ることが少ないため)。したがって必然的にゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気、つまりアルツハイマー病やレビー小体型認知症が占める割合が高くなります。

まとめ

認知症を引き起こす病気を4タイプに大別して原因となる代表的な疾患をピックアップしました。認知症を引き起こしている病気がはっきりしてこそ、どのような治療が有効なのかがわかります。極めて稀な例外を除き、病気に合った適切な治療が行われていれば、認知症が急速に進行し続けることがありません。

次回以降『 ゆっくりとした認知症の進行は避けられない病気 ‐ アルツハイマー病、レビー小体型認知症、ピック病 ‐ 』について、もう少し踏み込んだ内容をお届けしたいと思います。