【初心者向け】雪道運転のポイント|無事故で冬を乗り切ろう
雪国に生まれ育ち、早36年。実家はいわゆる豪雪地帯です。手前味噌ですが、雪道の運転にはある程度慣れています。もちろんゴールド免許です。
そんな私が雪道運転の注意点やポイントについて、少しまとめてみました。すべて経験則ですが「雪道運転ではこんなことに気を付けるんだ~」と、少しでも参考になれば幸いです。
本日の内容
- 運転前のポイント
- 運転中のポイント
- 体験してみる(特に初心者)
- おわりに
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雪道運転の初心者さんへ|運転前のポイント
まずは運転前に確認すべきことです。事前準備や情報は大切です。つい見落としがちですが、あなたは大丈夫でしょうか?
スタッドレスタイヤは大丈夫?
ベストカーによると「スタッドレスタイヤの寿命は製造年数から数えて4年」と言われています。すでに溝がなかったり、4年を大きく過ぎているタイヤで走るのは論外です。仮に溝が残っていても所詮はゴム。経年劣化による硬化は避けられず、それでは本来の性能を発揮できません。
まあ大丈夫だろうというちょっとした気持ちが取り返しのつかない事故を引き起こすことになります。シーズン前には必ず確認しておきましょう。スタッドレスタイヤとしては使えないと判断したら、夏タイヤとして使い倒すのもいいでしょう。燃費が落ちますけどね。
ちなみに私はトーヨータイヤのスタッドレスです。ブリヂストンやダンロップ、ヨコハマタイヤに比べると比較的安価なので助かっています。寿命を迎える4年目ですが、今のところ問題なしです。
ルーフの雪は落としましたか?
急いでいるとつい手を抜きがちですが、極めて危険です。私も経験がありますが、ちょっとしたブレーキのタイミングでバサバサッとフロントガラスに雪崩れ込んできます。運転中、ふいに視界が塞がれる恐怖は想像以上に怖いものです。たまにがっつりと雪を背負った車が走っていますが、決して近づいてはいけませんよ。そのせいでもらい事故なんてしたら、たまったものじゃありません。
外気温はどうか?雪質はどうか?
氷点下じゃないから大丈夫、というわけでもありません。降雪がある状態で気温が上がると、雪はシャーベット状になります。経験則ですが、滑りやすい雪質とは「アイスバーン>シャーベット>新雪」の順番です。
アイスバーンでは「ツーッ」と、シャーベットでは「ヅヅヅーッ」と滑ります。経験しないと感覚がわからないと思いますが、油断しているとマジで滑ります。
ちなみに新雪だけではさほど滑りません。「ギュッギュッ」とタイヤが噛んでいる音がします。わたしの場合、状況によってはわざと新雪を走るようにしています。滑りづらいですからね。ただし、もちろん油断は禁物。新雪の下にアイスバーンが潜んでいたら余裕で滑ります。
軽自動車ですか?普通自動車ですか?
これは車幅と轍(わだち)の問題です。一般道路では普通自動車のほうが多いので「轍=普通自動車の幅」でできています。軽自動車だと轍に合わないか、ギリギリのことが多いです。わたしも経験がありますが、うっかりしていると乗り上げて突然ハンドルを取られます。これ、本当に恐怖です。個人的には雪国で軽自動車には乗りたくありません。
轍(わだち):車が通り過ぎた後にできる車輪の跡
雪道運転の初心者さんへ|運転中ポイント
次は運転中の注意点やポイントです。ずーっと気を張っているのは疲れますが、やはり夏道よりも慎重にならざるを得ません。
急発進、急ブレーキ、急ハンドルには要注意
雪道に限らず、大原則でしょう。怖い順に並べると「急ブレーキ>急ハンドル>急発進」です。説明不要でしょうが、雪道での急ブレーキは命取りです。アイスバーンでやってしまうと、カーリングストーンのように滑っていきます。もちろん制御不可。急ハンドルはどうかというと、スリップしてハンドルを取られます。曲がれずに直進してしまうか、クルンッと半回転してしまいます。
一番マシなのが急発進です。空転して発進できないだけなのでね。ただし勾配があるところでやってしまうと、空転して本当に動けなくなります。もがけばもがくほど、路面がツルツルに磨かれてしまいどうにもなりません。勾配があるところでは、特にゆったりと発進することを心掛けましょう。
車間距離は通常の2倍以上
「ブレーキを踏んでから完全に停止するまでの距離が、雪道では乾燥路面に比べておよそ3-10倍ほど長くなります。」(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)。乾燥路面の感覚でブレーキを踏むと、まず間に合いません。くれぐれも車間距離には注意しましょう。
すぐ前の車両だけでなく、前の前、さらにその前の車両や状況を常に把握する
運転が上手な方は無意識にしていると思います。すぐ前を走る車両にばかり注意していると、突発的な対応ができず、急ブレーキや急ハンドルの原因になります。運転中はすぐ前の車両だけではなく、もっと前の車両の動向や信号などの状況を把握しておきましょう。いざというときに焦らずに済みます。是非、意識してほしいポイントです。
余裕があれば対向車線の状況にも気を配る
こちらがいくら気を付けていても、突っ込まれたら終わりです。もし余裕があるならば対向車線にも気を配りましょう。具体的にいうと路面状況や車両の動向です。こちらの路面状況が大丈夫でも、反対車線が大丈夫とは言えません。
アイスバーンやシャーベットかもしれませんし、あるいは障害物があるかもしれません。車両の動向としては、極端にスピードが遅かったり速かったり、やたらとブレーキングが多いのは要注意です。
4WDだって普通に滑ります
4WDの利点は「発進時」だけです。動けなくなる(立ち往生)リスクが減るだけです。
むやみに車線変更をしてはいけない
雪道での車線変更は、轍から外れる行為です。ハンドルを取られ、スリップするリスクが高くなります。むやみやたらにはしないほうが賢明です。もし車線変更をするならば、ハンドルを切るのではなく、ハンドルを少し傾けて、じわじわと寄っていくのが良いでしょう。
轍(わだち)を走る
轍とは車輪の跡でしたね。轍を走っている分には、滑るリスクは低いです。先行する車両についていくように運転しましょう。
右折時、左折時は慎重に
交差点の大きさや角度によりますが、おおよそ直角に曲がることが多いですよね。ハンドリングは慎重に行いましょう。曲がってから加速するときは、ゆったりアクセルを踏んでじわじわと加速しましょう。急加速すると容易にドリフトしてしまいます。
なお、当然ですが交差点の侵入時に極端なブレーキングをすると後続車に突っ込まれる危険があります。早めのウインカーと早めのブレーキを心掛けましょう。たまにブレーキをしてからウインカーを出す車両をよく見かけますが、あれ危ないですよ。
路面状況には常に気を配る
海沿いや山沿い、一般道路や橋の上、風の強さや天候の状態、除雪の有無とその程度、路面状況は周辺の環境によって大きく異なります。アイスバーンかもしれない、シャーベットかもしれない、凸凹かもしれない、道幅が狭くなっているかもしれないなど、雪道では全力で「かもしれない運転」を心掛けるべきです。
降雪中は基本ライトオン
日中・夕暮れ問わず、降雪時はライトオンが基本です。運転中に「自分の存在」を知らせる手段はこれしかありません。保険だと思って忘れずにつけましょう。
体験してみる(特に初心者)
これ、めちゃめちゃ重要です。何事も体験。教習所でも急ブレーキの体験をしましたよね。それと一緒です。雪道ではどのくらい滑るのか、あるいは滑らないのか。こればかりは体験しないことにはわかりません。私はシーズンインしたら必ずやっています。
このタイミングでブレーキを踏むと丁度よい・遅い、この程度のスピードだと滑る・滑らない、この程度のハンドリングだと滑る・滑らない、この雪質だと滑る・滑らないなど、最低限確認しておくことをおすすめします。滑らないための予防線を張るのも大切ですが、それだけでは実際に滑ったときにマジで焦ります。安全なところで実際に体験してみることを強く勧めます。
おわりに
雪道運転では普段よりも注意が必要なのは間違いありません。しかしながら、常識的なスピードで走るぶんにはそうそう滑ることはありません。過信は良くありませんが、上記の注意点やポイントさえ押さえればどうってことはありません。