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【二王子岳】圧巻の景色を堪能する冬の里山登山|2025年1月12日

登山

二王子岳の登山を検討中の方
『二王子岳ってどんな感じだろう。なにか情報があれば教えてほしい。』

この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。

本日の内容

  • 感想
  • スケジュールなど
  • 登山ルート
  • 二王子岳について

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感想


昨年より1ヵ月ほど早めに厳冬期の二王子岳へ。今回もスペシャリストの皆さまのトレースをきっちりとハンティングさせていただくことで無事に登ってくることができました。この時期、新潟のくせに違和感があるくらい晴れ間が広がっており抜群の登山日和でした。稜線に出るまではほぼ無風でしたが、さすがにそれ以降は強風に煽られ、地吹雪でトレースが消えることしばしば、指先がかじかむくらいには体感温度が低かったです。

今年の積雪量は五合目の定高山で4.5mであり、昨年の2月が2.5mだったことを考えるとかなり多かったように思います。山頂の青春の鐘に付くエビの尻尾は例年通りとんでもなく巨大でしたが、まだまだ成長段階だったのではないかと思います。同様に避難小屋も全体的にエビの尻尾と化していました。

稜線以降は「こんなに透き通った景色は見たことないかもしれない」というくらい、視界良好で抜群の眺望が広がっていました。もちろん山頂からは飯豊連峰が眼前にどっしりと広がっており、眼福の贅沢な時間を堪能することができました。

登山時期が少し早かったせいか、登山者はピーク時よりもまだ少ない印象を受けました。というのも稜線に出るまでは雪がまだ締まっておらず、ズボズボ埋まって歩きにくいからだろうと思われます。とはいえ逆に言えば今しか味わえないパウダースノーが堪能できることを考えると、冬山登山としては一長一短なのかもしれません。

スケジュールなど

【日にち】2025年1月12日(日)
【天候】晴れ、稜線は強風
【気温】登山口3℃
【登山ルート】南俣集落↔二王子岳山頂
【時間】6時間50分(上り4時間20分、休憩20分、下り2時間10分)
【電波状況】基本圏内だが所々繋がりにくい(docomo)
【積雪】五合目の定高山にて4.5m

登山ルート


例年通り、「〇合目」などの標識はほとんど雪の下です。六合目まではピンクテープ、六合目以降は稜線上の竹棒を目印に進むことになります。稜線上ではホワイトアウトさえしなければルートを誤ることはないと思いますが、トレースは地吹雪であっという間にかき消されるためその点は要注意です。不慣れ且つ先行者がいない場合は無理しないのが賢明でしょう。

6:50 南俣集落(駐車場)~二王子神社



うっかり寝坊してしまい登山口に着いたのは6時半くらいでした。この時点で車は5,6台といったところでしょうか。縦列駐車で30台くらい停められるので全然余裕ですが、ギリギリすれ違える程度の道幅しかないので、譲り合って上手に停めましょう。なお登山口付近の住民の迷惑にならないようにくれぐれもご配慮を。

なんだかんだ準備して6時半には出発しましたが、この時点で雪が若干緩んでいたためワカンを装着しました。毎度ウォーミングアップがてらと思いつつも二王子神社までが遠い遠い。途中で杉林を横断しながら、冬季しか通ることがないであろう赤い橋を渡って二王子神社に到着です。

7:40 二王子神社~五合目(定高山)




さすがにツボ足族はおらず、ワカンないしスノーシューを履いていました。どちらかというとスノーシュー組が多かったですね。

五合目まではおおよそ夏道と同じルートですが、一王子神社や一王子避難小屋のある三合目には寄らないため、その点だけ注意してください。詳細は「登山ルート」の画像をアップしていただけるとわかりますが、夏道の右隣の尾根に取りつきます。おそらくトレースがあるので大丈夫でしょう。

ちなみにこの尾根を直登するので一番きついかもしれません。加えて先行者がいたとしても、新雪が降り積もった足元はまだまだ締まっておらずなかなか歩きにくかったです。喘ぎながら登り、四合目までたどり着くとだいぶ楽になります。

9:30 五合目(定高山)~七合目(油コボシ)







五合目(定高山)の積雪は4.5mでした。昨年よりも明らかに多かったです。今年は里雪よりも圧倒的に山雪傾向の気象であったためでしょう。

さて五合目以降はいよいよ少しずつ視界が開けてきます。見渡す限り極上の銀世界です。頬張りたくなるようなホイッピーでクリーミーでこんもりした雪景色に見とれてしまい足がなかなか前に進みません。稜線なんて絶景に次ぐ絶景のオンパレードです。写真でなんとか伝わるでしょうか。ほんと、すごいっすよ。

10:30 七合目(油コボシ)~二王子岳山頂




二王子岳の最難関とされる油コボシの急登は直下で見上げると壁です。若干巻きながらでないと危ないしきついです。さてこれを登り切るといよいよ本格的な稜線歩きとなるため一段と風が強くなりますが、それと同時に超絶な雪景色に圧倒されることでしょう。ここから山頂までは白銀の稜線歩きです。

ちなみに当然吹きさらしのため、この辺りから場合によってはトレースがかき消されているので注意しましょう。視界が効けばまず問題ありませんが、不慣れな方は本当に気をつけてほしいです。とりあえず竹棒が目印です。

11:10 二王子岳山頂





登山開始から4時間20分、厳冬期の二王子岳に無事登頂しました。眼前に広がる飯豊連峰、左手には朝日連峰からの鳥海山、右手には守門岳などの新潟の山々、振り返ると越後平野から日本海越しの佐渡島がよく見えます。

厳しい環境が作り出す自然の芸術品、エビの尻尾やシュカブラもすごい見応えです。できることならずっと、のんびりと見ていたいのですが、さすがに風が強くて寒くなりすぐに限界を迎えます。小屋内も先行勢でやや混んでいたため、小屋を風よけにしてささっと昼食を済ませて下山を開始します。

11:30 下山開始~南俣集落(駐車場)

素晴らしい景色に見とれつつ、かじかんだ指先で写真を撮りつつ下山します。ワカンを履いていることもあり、雪山ではガシガシと気にせずに下っていけるのが良いですね。下山中は数組のバックカントリー勢とすれ違いましたが、こんな中を滑り降りたら最高に気持ち良いんだろうなと羨ましかったです。

13:40 南俣集落(駐車場)

下山開始から2時間10分、あっという間に戻ってきました。中腹以下では雪がだいぶ緩んでおり、特にスノーシューでは若干下りづらいように感じました。浮遊力はあるんですけどね、私はやっぱりワカンかな。

二王子岳について


日本二百名山、新潟百名山に数えられる1,420mの里山です。古来より信仰の対象となっており、登山口には2024年3月に国登録有形文化財となった二王子神社があります。夏道であれば一王子神社、三王寺神社、奥ノ院を拝礼することが可能ですが、冬季はもれなく雪の下です。

春から夏にかけては残雪と山野草、秋は紅葉、冬は写真のような大絶景が楽しめる里山です。もちろん里山と言ってもややきつい部類なので舐めてはいけません。特に厳冬期はしっかりとした冬山なので、安易な登山は厳禁と言えます。

二王子岳の冬季登山は年々人気を集めているようで、県内外問わずじわじわと登山者が増えている印象を受けます。今回はまだ早かったのでそこまでではありませんでしたが、雪が締まってくる2月はハイシーズンとなるでしょう。ある意味週末であれば誰かしら登っていると思うので、不慣れな方はトレースハントするくらいの気持ちで挑むのが良さそうです。

冬季の駐車場が麓の集落の奥にあるため、駐車の際はくれぐれも迷惑にならないようにしましょう。狭い林道に縦列駐車でおよそ30台くらいは停められますが、センスのない駐車をされるとすれ違えなかったり停められなかったりするので、お互いに気を遣った駐車が望ましいように思います。