【苗場山】過酷な赤湯ルート|初日に登頂後、山口館で一泊した登山旅|2020年9月12-13日
苗場山登山・赤湯ルートを検討中の人
『苗場山の登山道ってたくさんあるけど、赤湯ルートってどうなの?参考までにスケジュールを知りたい。ついでに感想も聞けたらな~。』
備忘録ですが、苗場山登山・赤湯ルートをお考えの方に何かしらご参考になれば幸いです。写真が50枚ほどあります。ちょっと重いかもしれませんがご了承ください。
今回の内容
- 苗場山登山・赤湯ルートの感想
- スケジュールなど
- 登山ルート(写真多め)
- まとめ
- 後付け
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苗場山登山・赤湯ルートの感想
『赤湯ルートはエグい』です。実感としては過去一のキツさでした。というのも、まあその理由はいろいろありまして…
いつもなんとなく焦ってしまい、ややスピードハイクになってしまいます。今回はそれに加え、若干の運動不足による体力的な問題もありました。
赤湯ルートは深いブナの森がひたすら続きます。9合目を過ぎてようやく森林限界を超えますが、それまでは景観がほとんど変わりません。それに加え、天候不良により視界はほぼ真っ白です。本来であれば拝めるはずの景観が拝めないのは精神的にも厳しいものでした。さらに赤湯ルートだけでしょうか、『〇合半』という表記に心が折れかけます。
赤湯ルートを選ぶ登山客の多くは『山口館で一泊してから登る』のが一般的だと思いますが、我々は前泊せずに駐車場から一気に登りました。そもそも駐車場から山口館までが2時間のトレッキングです。それから本格的な登山が始まるわけなので、実質的には初日だけで『9時間ほど』歩いたことになります。きついのは当たり前ですかね…。なので登頂後、山口館に着いた頃には疲れ切って『もう動けない』といった状態でした。とりあえず露天風呂で疲れ切った身体を癒し、夕食後まもなく爆睡しました。
スケジュールなど
天候:曇り時々雨
気温:山頂はおそらく20℃前後/風があったのでわりと寒かった印象
ルート:赤湯ルート
宿泊:赤湯温泉山口館(初日の下山後に宿泊)
所要時間:day1 駐車場 → 苗場山山頂 → 山口館 = 9時間15分
day2 山口館 → 駐車場 = 2時間
登山ルート(初日)
※所々抜けていますがご了承ください。
6:00 小日橋を出発
最寄りの駐車場はぎりぎり7台停められるかなといった感じです。この手前300mくらいの間にポツポツと停められる場所がありますが、トータルでおそらく20台くらいでしょうか。いずれにせよハイシーズンは取り合いが予想されます。登山届は写真奥の小屋のすぐそばにあるので見落とさないように注意しましょう。
6:15 赤湯温泉道
二手に分かれていますが赤湯温泉道は右手です。林道が続きますが、土砂崩れや落石の痕跡、鉄砲水らしき痕跡、増水などが若干行く手を阻みます。
6:40 棒沢橋
棒沢橋以降、トレッキングの始まりです。不慣れな方にはややハードに感じるかもしれません。
7:05 鷹ノ巣峠
ちょこちょこと案内がありますが半消え状態なのでわかりづらいです。
7:20 見返りの松
振り返ると松があります。『ここからケータイつうじます』と書かれていますが『 ドコモ 』だけです。我々はauだったので詳細不明です…。見えにくいですがタクシーの電話番号も書かれています。以後、しばらく行くとグンと下って橋を渡り、その先には10組くらい泊まれそうなテント場があります。
7:45 赤湯二号橋
テント場を過ぎると赤湯二号橋です。前日の雨による濁流の影響で、露天風呂に流木が突き刺さっていました。我々が下山したころには撤去されており無事に入浴できましたが、毎回こうだとスタッフさんの苦労が絶えないなと感じました。
7:50 赤湯温泉山口館に到着(五合目)
赤湯温泉山口館は露天風呂を過ぎてすぐです。山小屋のような佇まいですが一応旅館です。我々はピストンなので余計な荷物はデポしていきました。
8:00 赤湯温泉山口館を出発
一瞬、登山口??どこ??って思いますが、階段を下りてそのまま上流に進みます。普段ならばきれいな清流が流れており対岸に渡ることも可能とのことですが、今回は無理です。ちなみに増水すると当然ながら通行止めです。なお川の一部からは温泉が出ており、掘れば露天風呂が作れます。写真奥の橋を渡ると、いよいよ本格的な山登りの始まりです。
8:25 赤倉山分岐
赤倉山との分岐点です。この後、一旦グーンと下ります。
8:50 桂の沢(六合目)
広葉樹が生い茂る深い深い森の中をひたすら登っていきます。
9:20 水場(六合半)
水場という名の沢の水です。冷たくて気持ちが良いです。問題なく飲めるのでしょうが、念のため煮沸してからいただきました。まだまだ登ります。
9:40 フクベの平(七合目)
名前の通り、しばらくなだらかな登山道が続きます。まだまだ同じような景観が続きますが、ポツポツと景色を拝めるポイントが出てきます。
10:30 見晴尾根(八合目)
ここまで来ると針葉樹が増えてきます。八号目ですし体感としては『結構登ったな~』って感じですが、全然まだまだです。このあたりで心が折れ始めます。何にも見えないし。
10:50 深穴岩(八合半)
お互いに口数は減り、出るのはため息くらいです。半分以上心が折れており、マジで下山を考えました。それでもめげずにもくもくと進んでいきます。
11:20 シラビソ廊下(九合目)
気力も体力も限界に近いです。それでも九号目という言葉に背中を押してもらい進みます。5分くらい行くと高い木々はなくなり、笹通りになります。ここまで来ると本来であればギアナ高地のような眺望が拝めるはずなのですが、見えるのは一面真っ白な世界です。ただ、ほんのうっすらと頂上らしきものが見えましたが、その急峻な角度に絶望しました。ここから九合半まで一気に高度を上げます。最後の急登と鎖場です。
11:50 苗場山頂台地(九合半)
見ての通り真っ白でしたが、それでも感動を覚えました。晴れていたらきっととんでもなく感動したことでしょう。無数の池塘から流れ出る水、ほんのりと色づき始めた台地が広がっていました。
12:15 苗場山山頂に到着(2,145m)
登山開始から6時間15分。なんとか登頂です。もう疲労困憊。苗場山頂ヒュッテは新型コロナウイルス対策のため宿泊者以外の立ち入りができなさそうだったので、草むらを風よけにしてお昼ごはんにしました。山頂ではあまりアルコールを飲みませんが、このときのウイスキーはめちゃめちゃうまかった。そして山頂で食べるカップラーメンね、このうまさは異常です。
13:10 下山開始
休息も束の間、あまりゆっくりもしていられないので下山開始です。とは言え、来た道を淡々と戻るのみ。
16:10 赤湯温泉山口館に到着
下山開始から3時間。登山開始から9時間15分。もうね、途中で倒れるんじゃないかというくらい疲れたけど、なんとかなんとか山口館に到着です。とりあえず缶ビールで乾杯です。そして早々に露天風呂に浸かり疲れを癒します。温泉は鉄っぽい成分です。身体の芯まで温まりました。夕食は山菜などの野菜が中心です。ごはんとお味噌汁はおかわり自由です。どれもこれもおいしかったです。
登山ルート(2日目)
2日目の朝です。寒いです。昨日の疲労が完全に残っています。
6:00 起床、朝風呂、朝食
昨日とは打って変わり、今朝は良い天気です。山頂に泊まった人たちが羨ましい…(まあこのあと荒れるのですが)。昨夜は18時半には就寝していました。疲れすぎて体調が芳しくなかったですが、寝て起きたらスッキリしていました。とりあえず朝風呂に入り、青空を見ながらのんびりと過ごします。その後、朝食をいただき早速下山の準備に取り掛かります。そういやグレートトラバースでお馴染みの田中陽希さんのサインがありました。なんと3シーズンとも利用していたんですね。ご飯大盛り5杯も食べていったそうです。
8:00 赤湯温泉山口館を出発
さてさて長かった登山ももうすぐ終わりです。下山開始です。
9:15 棒沢橋
このタイミングでようやく気づきました。青々とした木々の美しいことに。ヒトは余裕がないと周りが見えなくなるんですね。
10:00 小日橋に到着
そんなこんなで無事に下山です。橋の付近にサルの群れがワラワラと集まっていましたが、人間慣れしていないのでしょう。すぐさま四方八方へ散っていきました。
いや~、それにしてもほんとキツかった。正直、こんなに帰りたいと思った登山はありませんでした。いろいろと原因は挙げましたが、つまるところ前泊さえすればきっともっと楽だったのだと思います!笑
それにしても濃厚な2日間でした。赤湯温泉山口館はまた行きたいな~。ちなみに真夏でも日中の最高気温は30℃に満たず、夜間も涼しくて快適だそうです。しかも川辺を掘れば温泉が湧いてくるというロマン付き。山口館は山口家の兄と妹で切り盛りしており、お二人ともめちゃめちゃ気持ちが良くてイイ方たちでした。
後付け
ミレー(Millet)のドライナミック メッシュ アンダーウェアがめちゃめちゃイイ
ミレー(Millet)ドライナミック メッシュ アンダーウェア使っている方も多いと思いますが、めちゃめちゃ良くないですか?やや厚手の編み編みが汗を吸い上げるから濡れた皮膚がダイレクトに冷やされずに汗冷えが防げる。なんとも表現しづらいけど、体感的にはだいぶ違いました。毎回背中の汗冷えがひどいので、山頂に着いたらとりあえずアンダーウェアを取り換えるマンでしたが、今回は着替える必要がありませんでした。もう一枚買おうかな。
『身長170cm、体重58kg、胸囲86cm、腹囲68cm』のガリガリの私はS/Mサイズです。私みたいな体格でも最初は着用感がすごいですが徐々に慣れます。サイズ展開はS/M、L/XL、XXLのみですが、編み編みがかなり伸びるので恰幅が良くても大丈夫そうです。
ノースリーブ・ショートスリーブ・ロングスリーブがありますが、体幹さえ守れれば問題ないのでノースリーブで十分です。ちなみにショートやロングだと肩の部分までメッシュになっており、重いザックを担いだ際に気になりそうでした。
赤湯ルート(赤湯温泉山口館と苗場山の往復)のコースタイム
おそらくこれが普通です。のんびり景観を楽しみながら登ればこれくらいかかります。
秘湯・貝掛温泉
下山後の汗を流すべく向かったのは第二の秘湯『貝掛温泉』です。奥湯沢に位置する貝掛温泉の歴史は古く、鎌倉時代から続いているとのこと。『目の温泉』としても有名で、『日本秘湯を守る会』にも選ばれています。写真は玄関のみですが、重厚感があり趣のある建物でした。温泉は無色透明、ほんのりと香りがするようなといった具合です。源泉の温度が低いので加温してあるようです。旅館なので宿泊も可能です。
水屋のロールケーキ
甘党の男2人が向かった先は、湯沢駅を出てすぐ目の前にあるお店『 水屋 』です。ここのロールケーキ『湯澤ろうる』が食べたくて。しっとりクシュクシュとした食感に、甘さ控えめな生クリームが最高においしかったです。コーヒーにもよく合います。
南魚沼しおざわ産コシヒカリ 爆弾おにぎり(湯沢駅内)
拳大のおにぎりです。具材が豊富で迷います。お味噌汁と漬物もセットになっています。このおにぎり、南魚沼塩沢産コシヒカリ1合分です。女性やお子さんにはちょっと多いかもしれませんね。でもインスタ映え必至です。