【荒沢岳】新潟県屈指、鎖場が連続する登山|山頂はガスの中|2020年10月1日
荒沢岳の登山を検討中の方
『荒沢岳って鎖場が多くて難しいって聞くけどどうなの?参考までにスケジュールや感想を聞きたい。』
これは備忘録ですが、荒沢岳への登山を検討中の方に少しでも参考になれば幸いです。写真が多いのでちょっと重いですがご了承ください。
本日の内容
- 感想
- スケジュールなど
- 登山ルート
- 荒沢岳について
- 付録
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感想
雄々しい山が好きな方には最高です。荒沢岳は楽しい山ですね。序盤は紅葉樹林帯、中盤は鎖場、後半は岩場と変化に富んだ素敵な山です。また行きたいと思わせる、そんな山です。体力的にはどうかな、新潟県内で言えば粟ヶ岳が登れれば余裕でしょう。個人的には粟ヶ岳の方がよっぽどきついです。
難所は言わずもがな鎖場です。登りはいいとしても下りではやはり高度感を感じます。そして本来であれば鎖が付いていてもおかしくないであろうポイントも少しあり、若干のクライミング様の技術も求められます。とは言え、個人的には八海山の八ッ峰がクリアできれば大丈夫そうな気がします。ただし、初心者や体力に自信のない方、高所が苦手な方にはおすすめできません。落ちたら死ぬし…。
スケジュールなど
【日にち】2020年10月2日(木)
【天候】曇り時々雨、一時晴れ間あり。風は微風~時折やや風あり
【気温】山頂は12℃前後
【時間】6時間(登り3時間半、下り2時間半)
【スマートフォン電波状況】auは基本的に電波圏内
【紅葉】中腹以降わりと色づいていました。ピークは10月2-3週目でしょうか。
【問い合わせ先】(一社)魚沼市観光協会 TEL 025-792-7300
※10月中旬~下旬にかけて鎖が撤去されます。登山前に一応問い合わせたほうが良いかもしれません。
登山ルート
6:00 荒沢岳登山口駐車場を出発
車の温度計は13℃、外はひんやりとしています。荒沢岳登山口駐車場には20台停めれるかどうかって感じです。ハイシーズンは早めが良さそうです。写真中央にあるのはトイレです。男性・女性に分かれているので安心です。ちなみにめっちゃきれいです。
概況図にあるように、どこが前山でどこが前嵓(まえぐら)なのかよくわかりませんでしたが、照らし合わせてみると、おそらく『前山=一合目』『前嵓=四合目~六合目手前』に当たるものだと思います。なお、合流ポイントがあるようですが、それはよくわかりませんでした。
警告の看板には『上級者向け』『滑落死亡事故』『引き返す勇気を』とあります。安易な気持ちでは行かないほうが良いでしょう。それとこの時期にはスズメバチが出ます。先日もハチに刺される事故があったようですので十分に注意が必要です。彼らの飛ぶ羽の音に警戒しましょう。
水場は3分くらい進んだところにあります。その先に水場はありませんので必要な方はこちらです。水場を過ぎるといきなり急登が続きます。初っ端からの急登で息が上がります。周りはまだ青々とした広葉樹が生い茂っています。荒沢岳の登山道はよく整備されているので基本的に登りやすいです。
6:50 一合目(前山)
おそらく前山と呼ばれるところです。その名の通り前方に山が見えます。あれは…なんの山でしょう。中荒沢と呼ばれる付近でしょうか。長大な主稜が見事です。ここまで来ると急登が一旦落ち着きます。
7:10 二合目
まだ木々に囲まれていますが、気持ちの良い尾根歩きです。緩く登ったり下ったりを繰り返していくと、ちょこちょこと視界が開けてきて奥只見湖が見えたり、荒沢岳山頂と前嵓が重なったような見え方をしてきます。その荒々しい山容に興奮します。
7:30 三合目
尾根歩きが続きます。なかなか気持ちが良いです。
7:45 四合目(前嵓基部)
おそらく四合目の前嵓基部と呼ばれるところです。ここから六合目手前まで鎖&ハシゴ&縄の難所が続きます。荒沢岳のまさに醍醐味ともいえるポイントです。ワクワクドキドキ感とともにやはり一抹の緊張が走ります。
8:00 五合目(前嵓中腹)
一気に視界が開けると同時に、目の前に急峻且つ荒々しい岸壁が姿を現します。これが前嵓の本体です。なんと美しいこと…惚れ惚れします。その先には荒沢岳の山頂も見えるはずでしたが、残念ながらガスの中でした。
五号目を過ぎると一旦30mほど下降して岸壁の基部を横断し、急峻な鎖場を一気に登ります。鎖場を登りついた先が前嵓頂上です。六合目のちょっと手前です。ガスに覆われていますが山頂へと続く稜線が見事です。鎖場ばかりが醍醐味かと思っていましたが、想像を上回る美しい稜線に思わず声が出ます。
一部鎖がないポイントがあるため、若干のクライミング様の技術も試されます。滑り落ちたら死にます。覚悟して登りましょう。
8:25 六合目(ちょっと手前が前嵓頂上)
ここまで来ると樹高が低くなってきます。紅葉とガスのかかり具合も相まって幻想的で素晴らしい。
8:40 七合目
すっかりガスに覆われてしまいました。眺望はゼロです。本来であれば右手に越後駒ケ岳を眺めながら気持ちの良い尾根歩きが楽しめたはずなのですが。
9:05 八合目
1峰、2峰と登るごとに高度を上げていきます。いよいよクライマックスです。
9:20 九合目
如何せん真っ白なのでいまいちわかりませんが、かなりの高度感があるはずです。切り立った岩峰を慎重に横断したら最後の鎖場です。
9:30 登頂
登山開始から3時間半。無事登頂です。頂上は意外に狭いですが『荒沢岳』の標石がかっこいいです。視界はご覧の通り、なにも見えません。晴れていれば眺望が抜群だそうで、『弥彦山、守門岳、浅草岳、中ノ岳、越後駒ケ岳、平ヶ岳、日光や利根源流の山々』が拝めるとのことです。前回の苗場山といい、完全に登山運に見放されています。そしてまもなく雨風が強くなってきたため、休息もままならず下山開始です。
12:00 下山
登山開始から6時間。無事下山です。やや疲労感はありますが、粟ヶ岳に比べたらマシです。そして当然と言えば当然ですが、鎖場の下りはやはり緊張します。私は一度ヒヤッとしました。冒頭にも書きましたが、初心者や高所が苦手な方にはおすすめできません。『滑落事故は下山時に起きる』とはよく言いますが、特に鎖場では気を引き締めなければなりません。
荒沢岳について
『 新潟100名山+10 』から一部抜粋
付録
トレッキング・フォトポールとアクションカメラ
最近、ようやくトレッキングポールを購入しました。これまでは登山道に落ちている木の枝で代用していましたが、さすがに必要性に感じて購入です。せっかくならカメラの一脚になるものはないかと探してみたらあるんですね、mont-bellのトレッキング・フォトポールです。グリップの先端のキャップを外してカメラの三脚穴にセットすれば立派な一脚となります。スタッフさんに聞いたら、使用感や耐久性は通常のトレッキングポールと変わらないとのことです。
今回はアクションカメラ(OSMO ACTION)を取り付けて使用しました。これなら軽いから移動中も付けっぱなしでOKです。ポールが150cm近くまで伸びるので、通常では絶対に撮れないようなポジションから撮影できたり、ちょっとした自撮り棒として使えたりと、まさに一石二鳥です。買ってよかった!
下山時、晴れ間から見えた景色
下山中に晴れてきました。ガスの感じも相まって幻想的です。これはこれで良い。山肌の草紅葉や稜線の感じが見事な美しさでした。越後駒ケ岳や奥只見湖の様子もうかがえました。
日帰り温泉 白銀の湯
車で5分くらいのところに『白銀の湯』があります。道中に看板が出ているので迷うことはありません。登山後はこちらで汗を流しました。風呂が2階にあるため景観が良いです。越後駒ケ岳と中ノ岳が眺望できます。泉質が柔らかくて気持ちよかったです。源泉がややぬるいため加温してあります(源泉かけ流しもあります)。ちなみに築20年だそうですが建物はめっちゃきれいです。
このあたり一帯が銀山平森林公園となっているので散策が楽しめます。ログハウスが3タイプ18棟あるので宿泊することも可能です。※冬季は豪雪のためすべての施設が営業していません。