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【金剛山~ドンデン山~金北山】花の大佐渡系、2泊3日の縦走登山|2024年5月3-5日(初日)

登山

大佐渡系の縦走登山を検討中の方
『大佐渡系の縦走登山ってどんな感じだろう。なにか情報があれば教えてほしい。』

この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。

本日の内容

  • 感想
  • スケジュールなど
  • 装備品
  • 登山ルート
  • 大佐渡系について

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感想


花真っ盛りの大佐渡系、2泊3日の縦走登山に行ってきました。奇跡的に天候にも恵まれたGW、やや暑いくらいでしたが大満足な山行となりました。

初日は白瀬登山口から金剛山に登ってドンデン山まで縦走し、2日目はドンデン山と金北山の往復、3日目はドンデン山からアオネバ登山口へと下山しました。本当は妙見山にも行きたかったのですが、初日の疲労で2日目がスーパーハード過ぎて足が進みませんでした。

縦走中は見渡すと佐渡島らしい海に囲まれた景色が堪能でき、ふと足元に目をやると花だらけで眼福ものです。カタクリを筆頭にキクザキイチゲ、オオイワカガミ、ヒトリシズカ、エンレイソウ、エチゴキジムシロ、アマナ、ユキワリソウ、シラネアオイなど、一つの山系で実に様々な山野草が楽しめます。日本海特有の気候や標高差がそうさせるのでしょう。

ところで今回の縦走登山にあたり、登山口までの交通手段に少々手間取りました。5/3のみ佐渡汽船の深夜便が出ていたのでそれで向かったのですが、なんと両津港にタクシーが常駐していませんでした。いやなんとなく想像はしていましたが、やっぱりいなかったなと思いました。

結局6時半くらいまで待って乗ることができました。道中で運ちゃんに聞いたのですが、タクシーは基本的に予約がなければ6時を過ぎないと常駐していないとの話でした。したがって時間外で向かう方は事前予約をしたほうが良いでしょう。バスの便も少ないのでグーグルマップでの事前確認は必須です。

なおハイシーズンのみ両津港↔登山口でライナーバスが出ています。こちらも事前予約制なので注意してください。金額的には一人であればバスがお得ですが、二人以上であればタクシーのほうが安上がりかもしれません。

料金の詳細やルートの詳細はさど観光ナビ(トレッキングマップ)をご確認ください。ダウンロードもできます。

スケジュールなど

【日にち】2024年5月3-5日
【天候】晴れ
【気温】日中20℃前後、夜中13℃前後
【登山ルート/時間】
 初日:白瀬登山口→金剛山→ドンデン山避難小屋(6時間15分)
 2日目:ドンデン山避難小屋↔金北山(7時間10分)
 3日目:ドンデン山避難小屋→アオネバ登山口(2時間15分)
【電波状況】ほとんど圏外か電波弱(docomo)
【積雪】金北山付近、金剛山付近に少々

装備品

・ドイター エアコンタクトライト 50+10
・ザ ノースフェイス アリューシャン4
・サーマレスト スリーブライナー
・NEMO テンサー
・シートゥーサミット エアロプレミアムピロー
・ミレー ティフォン 50000 ウォームストレッチジャケット
・モンベル ウイックロン ZEO ロングスリーブ ジップシャツ
・ミレー アンダーウェア ドライナミック メッシュ ノースリーブ
・ミレー アンダーウェア ドライナミック メッシュ 3/4 タイツ
・モンベル ガイドパンツ ライト
・モンベル キャップ
・サングラス
・シナノ トレッキングポール アルミ 125
・スポルティバ トランゴ テック レザー GTX
・イージークック ソロセット、IP-110 ガスカートリッジ、P-115 マイクロバーナー
・着替え
・食料(ドンデン高原ロッジにてカップ麺など追加購入)
・水(2ℓ:ドンデン高原ロッジにて適宜追加)
・カメラ:Nikon D40
・レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-70mm f3.5-4.5G ED

登山ルート




初日:白瀬登山口→金剛山→ドンデン山避難小屋
2日目:ドンデン山避難小屋↔金北山
3日目:ドンデン山避難小屋→アオネバ登山口

※都合上、横向きにしてあります。見づらくてすみません。

4:50 両津港


5月3日のみ深夜便があったので飛び乗ってきました。船内は意外と混んでおり佐渡島の人気度が伺えます。深夜便でこの混みようだと通常便の混雑具合もなんとなく想像がつきます。

さて早く着いたものの困ったことにタクシーがいません。タクシー会社に電話しても出ません。後ほど知ったことですが6時を過ぎないと常駐していないとのことで、こういった時間外の場合は予約が必要とのことでした。

仕方がないのでmaSanicoffeeで朝食がてら時間をつぶすことにします。開いていて助かりました。ここのコーヒーも食事もおいしいです。

6:25 両津港~白瀬郵便局

ふと気がつくとタクシーが停まっていたので白瀬郵便局までお願いしました。運ちゃんは佐渡弁なのか活舌が悪いのか、8割くらい何を話しているのかわかりませんでした。単語単語を拾ってなんとなく想像して会話しました。

6:45 白瀬郵便局~白瀬登山口



両津港から白瀬郵便局まではおよそ15分、3,000円くらいでした。白瀬登山口はここから2kmほど奥にあり、およそ25分の林道歩きとなります。もちろんタクシーでも行けますが、わたしはケチりました。

7:10 白瀬登山口~タン平水路



ということで新緑に囲まれた白瀬登山口に到着です。駐車場は5,6台しか停められない感じですが、この日は一台も停まっていませんでした。

橋を渡って登山道を進みます。全体的に踏み跡がしっかりしており迷うことはないでしょう。とはいえ登山者が少ないせいか所々に蜘蛛の巣が張っているのでげんなりします。

7:40 タン平水路~トビガ沢


なんだろうなーと思って見渡すと、なんとなく水路跡のような痕跡が見受けられました。

8:00 トビガ沢~組上




標識の奥に沢が流れています。ここから組上までオオイワカガミやヒトリシズカが増えてきます。そして金剛山名物の蟻塚も現れます。蟻の量が尋常じゃないです。耳を澄ますとザワザワザワと地面を這っている蟻の足音が聞こえてきます。でもじっとしていると靴に這い上がってくるので長居は無用です。

8:55 組上~金剛山山頂







組上に出ると一時的に視界が開けて山頂が見えます。ここから山頂まで所々にユキワリソウやカタクリが咲いており驚きました。

山頂手前、急登に差し掛かったところの登山道が結構狭いのでちょこっと注意です。短い急登をグイッと登るとゴツゴツした山頂が見えてきます。登り詰めると一気に視界が開け、佐渡島が見渡せる素晴らしい眺望を目にします。金北山までの稜線も確認できますが、遠いなあ…。

9:45 金剛山山頂~雪畑山・金剛山分岐点



ということで改めて山頂です。朱色の鳥居と白瀬御岳堂が目印です。登山口から2時間半くらいでこの眺望は素敵すぎます。一休みしたいところですが、蟻がいるので早々に出発します。

次の登山道は白瀬御岳堂裏に続いています。せっかく登ってきましたが一旦下ることになります。日当たりが悪いせいか部分的に残雪が点在しており歩きづらいですが、そのおかげでカタクリの量が増えてきました。気温が低いため季節が遅れているのでしょう。

10:15 雪畑山・金剛山分岐点~滑石








ドンデン山方面は左に進みます。この辺りから登山道に残雪が増えてきて歩きづらさが増します。道中でウルイ(オオバギボウシ)なのか有毒のバイケイソウなのかわかりませんが大量に生えていました。

せっかくなので雪畑山まで寄ってきました。登り10分、下り7分なのでちょちょいですが、登山道が荒れており非常に歩きづらかったです。しかも山頂の眺望も今ひとつ──。とりあえず山頂で小休止してから再出発です。年季の入った杉林に囲まれたカタクリロードを進みます。

11:30 滑石~芝尻山




金剛山からドンデン山までは基本的に杉林を進むので眺望は期待できませんが、滑石のように所々一気に視界が開けるポイントがあります。一面芝になっており日当たりが良いためエチゴキジムシロが咲いています。

12:25 芝尻山~ドンデン山避難小屋







再び杉林に入り、再び抜けてガツッとザレ場を登ると芝尻山です。ここまで来ると気持ちの良い稜線歩きです。アマナのお花畑、眺望の良い論天山、北五十里越峠、ドンデン池を過ぎるといよいよドンデン山避難小屋です。

13:00 ドンデン山避難小屋




ということで登山開始からおよそ6時間、赤い屋根が特徴のドンデン山避難小屋に到着しました。通年無人、水場・トイレなし、収容人数は30人くらいの避難小屋です。内装は決して綺麗とは言えませんが、建物的にはだいぶ立派な部類だと思います。備え付けの畳を敷いて寝ますが硬いのでマットは必須です。毛布もあるので寒さ対策もバッチリです(今回は使いませんでした)。

13:20 ドンデン山避難小屋~尻立山


とりあえず寝る準備だけしたらひと登りしてドンデン高原ロッジへと向かいます。

13:35 尻立山~ドンデン高原ロッジ




尻立山から見る景色が素晴らしいんです。ドンデン高原ロッジからだと気軽に登れるのでおすすめです。特に日の出・日の入時間はとても綺麗です。

13:45 ドンデン高原ロッジ




避難小屋から向かうと結構疲れますが、ドンデン高原ロッジのお風呂に入りたくてやってきました。日帰り入浴は500円、タオル別、シャンプー・ボディソープ付きです。広々としたお風呂でゆっくりと疲れを癒します。カップヌードルや自動販売機もあるので、私は缶ビール500mlを購入して昼食としました。登山後のビールってなんでこんなにおいしいのでしょう。

ドンデン山避難小屋


ドンデン高原ロッジでしばらくボーっとした後、再び同じ登山道を戻ります。これまた地味に疲れますが仕方ありません。非常に疲れた一日でしたので夕日を眺めたら早々に就寝しました。ちなみにこの日は私を含めて4組しかいませんでした。明日はいよいよ大佐渡系のメイン縦走です。しかも往復。

大佐渡系について


※写真は佐渡トレッキング協議会のホームページから拝借しています。

大佐渡系の縦走登山において主要な山は北から金剛山、ドンデン山、金北山、妙見山です。なお正確にはドンデン山という山は存在しません。正式名称はタダラ峰で、900m級の3つの山を合わせた高原一帯をドンデン山と呼んでいます。

それぞれ登山ルートはいくつもありますが、金剛山は白瀬ルート、ドンデン山はアオネバルート、金北山は栗ヶ沢ルートや横山ルート、妙見山は白雲台ルートが一般的かと思います。他にもルートバリエーションが豊富なので、詳細は佐渡トレッキング協議会のルート紹介をご覧いただきたいと思います。

縦走登山だけの場合、鬼畜な体力の持ち主ならば一日あれば完遂可能ですし、そうでなくても1泊2日あればなんということはないでしょう。

出発地点は金剛山経由でも妙見山経由でも良いと思いますが、妙見山経由のほうが確実に楽です。というのも登山口である白雲台の標高が850m、妙見山の標高が1,042mなので20分もあれば登れてしまうからです。その後はアップダウンがあるものの金北山までは防衛省管理道路、つまり舗装路を歩くことになるのでだいぶ楽と言えます。

一方、金剛山経由では白瀬登山口の標高が90m、金剛山の標高が872mなのでしっかり登山となります。もちろん舗装路なんてありませんし、若干ワイルドな登山道が続くので精神的にも多少キツく感じることでしょう。

またどちらのルートにも言えますが、交通の便が圧倒的に悪いです。縦走なので自家用車というわけにはいかないでしょう。白雲台であればライナーバスが出ていますが時間の制約があります。白瀬登山口ならば路線バスで近くまで行けますが、これまた本数が少ないため時間帯が限られます。となるとタクシーが有力ですがそれなりの料金がかかります。一人なのか複数人なのかで条件が異なると思うので、よく吟味してから出掛けたほうが良いでしょう。