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【飯豊連峰】石転び沢→丸森尾根、大雪渓とハクサンイチゲの周回日帰り登山|2025年6月7日

登山

飯豊連峰の登山を検討中の方
『春の飯豊連峰の登山ってどんな感じだろう。なにか情報があれば教えてほしい。』

この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。

本日の内容

  • 感想
  • スケジュールなど
  • 登山ルート

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感想


ついに念願だった石転び沢に登ることができました。当日はやや風があるものの暑くも寒くもない絶好の登山日和でした。考えることは皆同じなようで、倉手山登山口駐車場は早朝3時の到着時点ですでに満車。やむなく路肩に停めて向かうことにしました。ちなみに今年は降雪量が多かったせいか、倉手山登山口駐車場から飯豊山荘までの林道はまだ冬季通行止め中でした(6月9日(月)の正午に通行止め解除となっています)。

温身平に着くころにはすっかり明るくなっており、目指すべき沢方面(門内沢)が見えたときは気持ちが高ぶりました。しばらく夏道を進んでいよいよ大雪渓に足を踏み入れたとき、さらに石転び沢の大雪渓を目の前にしたときの興奮は忘れられません。核心部では最大斜度44度の大雪渓をヒーヒー言いながら、数歩進んでは休んでを繰り返しつつ登っていきました。ようやく梅花皮小屋が視界に入ったときの安堵感と満足感はたまりません。

稜線にでるとそこはお花畑。ハクサンイチゲをはじめとする高山植物で溢れかえっていました。とはいえ石転び沢で体力をだいぶ削られてしまった私には、心の底からお花畑を楽しんでいる余裕がありませんでした。スマホでささっと写真を撮りつつ、深く長い稜線を何度も眺めながら淡々と進みます。

下山は梶川尾根と丸森尾根で迷った結果、丸森尾根から下山することにしました。地図を改めて見てみると門内小屋からであれば時間的に丸森尾根のほうが早かったからです。ただ結果的に言うとに大した時間差はなかったように感じます(昨年は梶川尾根から下山)。いずれにせよ、どのみち楽ではありませんね。

ところでね、いや昨年来たときも同じこと思ったんですけど、やっぱり「飯豊に通うマン」たちのスピード・パワー・スタミナは異次元ですね。あの人たち疲れなさ過ぎて永久機関かと思いました。お話した方はもれなくトレイルランニングをされていたんですけど、石転び沢で会った方はほとんど休まずにグングン登ってきてぶち抜かれちゃうし、稜線で会った方は大石ダムから北股岳をピストンしてるし、もうどうかしちゃってますね。

まあそんなこんなを含め、自分にとってはだいぶ過酷なスケジュールでしたが刺激をもらって満足度高く無事に周回してくることができました。飯豊連峰は本当にいいですね。また行くぜ。

スケジュールなど

【日にち】2025年6月7日
【天候】晴れ、時々中~強風
【気温】日中20℃前後
【登山ルート/時間】石転び沢ルート→丸森尾根ルート/11時間40分/23.7km
【電波状況】稜線は概ね圏内(docomo)
【残雪】石転び沢ルートは滝沢分岐の手前からたっぷり残雪・雪渓

登山ルート


石転び沢ルート→丸森尾根ルート
※都合上、横向きにしてあります。見づらくてすみません。

3:20 倉手山登山口駐車場~飯豊山荘


飯豊山荘までの道路はまだ冬季通行止めでした。開通は6月9日(月)正午からとのことです。昨年は5月中旬には開通していたことを考えるとやはり今冬は降雪量が多かったのでしょう。

相当早く着いたつもりでしたが倉手山登山口駐車場はすでに満車でした。おそらく宿泊組もいたからでしょう。邪魔にならないように路駐して出発です。およそ3kmの道のり、自転車が欲しい。

4:00 飯豊山荘~温身平


ほんのり明るくなってきました。このまま温身平まで林道を進みます。

4:20 温身平~砂防ダム




正面に見えるのはおそらく門内沢です。眺望よくテンションが上がります。雪崩によってなぎ倒された木々を眺めつつ、プチ渡渉したりして砂防ダムに向かいます。

4:30 砂防ダム~滝沢分岐のずっと手前(いわすげの沢付近?)



砂防ダムのものすごい水量と音量に圧倒されつつ、右側の石段を登っていよいよ登山開始です。しばらく夏道ですが雪崩で崩れたのでしょうか。へつりを慎重に進みます。要所要所にロープ(緩い)や鎖が追加されていました。写真にある雪渓は部分的で、本格的な雪渓はしばらく先になります。

5:20 滝沢分岐のずっと手前(いわすげの沢付近?)~滝沢分岐



初めての大雪渓に感無量。場所がなんともお伝えしづらいのですが、滝沢分岐のずっと手前(いわすげの沢付近?)で夏道からすっと取り付くことができました。ここでアイゼンとなんとなくピッケルを装備し、大きな口を開けた雪渓を横目にいざ向かいます。恐怖心が煽られます。

5:40 滝沢分岐~梶川の出合


滝沢分岐に到着です。ここまではほとんど平坦なため高度はまったく稼げていません。前方に見える達人たちがこぞって左側に向かったためうっかり追いかけてしまいましたが、途中で気づいて引き返しました。達人たちは梅花皮の滝に向かったものと思われます。ここでヘルメットを装着します。

5:50 梶川の出合~石転び沢の出合


間もなく梶川の出合です。ガスっているとうっかり迷い込んでしまうこともあるらしいですが、正しくは矢印の通りです。この辺りから所々に雪崩てきた痕跡が目に付くようになります。

6:20 石転び沢の出合~ほん石転び沢の出合



じわじわと高度を上げながら石転び沢の出合に到着です。左側の石転び沢も右側の門内沢もまだまだ残雪たっぷりの大雪渓です。この辺りに名物の大岩があるらしいのですがまったく見えませんでした。改めて今冬の積雪量の多さを感じます。

ほん石転び沢の出合に向けてまた少しずつ斜度がきつくなってきます。道中、直径1mはあろう岩がゴロゴロと転がっています。雪面をたどると岸壁の上部から転がってきた形跡もありました。これが石転び沢と呼ばれる所以なのでしょう。こんなのが直撃したら一撃ですね。いや恐ろしい。

7:15 ほん石転び沢の出合~北股沢の出合(黒滝付近)



ほん転び沢の出合付近からさらに斜度がきつくなりますが、すでにヘトヘトで数歩進んでは止まるの繰り返しです。ここから先は落石が集中する区間となるため、疲れていても集中力を切らさないように注意深く進みます。ちなみに写真左側がほん転び沢ですが、こちらからも雪面に岩が転がってきた痕跡があります。伝わりにくいですが高度感はかなりのものです。景色も素晴らしい。

7:50 北股沢の出合(黒滝付近)~草付き


黒滝と呼ばれるのは、おそらく写真のように土砂によって黒く染まる雪面を言い表したものではないでしょうか。黒滝の右側は北股沢ですが、こちらもガスっているとうっかり入り込んでしまう危険性があるので注意しましょう。撮影場所はやや緩斜面ですが、黒滝からの落石が集中するポイントなので要注意です。暖かく雪が緩んでくると一気に危険度が増します。赤丸印はおそらく草付きと呼ばれるポイントです。

8:10 草付き~梅花皮小屋


赤丸印の草付きポイントを横目に直登していきます。この辺りが最大斜度45度の最難関部となります。このまま直登する分には落石の心配はなさそうですが、おおよそ点線に沿って雪面に亀裂が入っていました。

9:00 梅花皮小屋



ようやく梅花皮小屋に到着です。念願だった石転び沢ルートがコンプリートできて感無量です。小屋手前には深さ10mはあろう亀裂が入っていました。山頂にはエゾイワハタザオが咲き誇っていました。早めのお昼休憩をとった後、下山に向けて出発です。

9:25 梅花皮小屋~北股岳



梅花皮小屋から北股岳まではまだまだ残雪がありアイゼンを使用しました。雪質がだいぶ緩んでおり足を取られましたがそんなに長くないため問題なしです。振り返ると梅花皮岳から烏帽子岳、御西岳から大日岳までよく見えました。ここから飯豊本山は隠れて見えませんでした。いずれ行きたいなあ。石転び沢を眺めると続々と後続者が登ってきます。

9:50 北股岳~門内岳(門内小屋)




そんなこんなで北股岳に到着です。標高が大日岳に次いで高いだけあって眺望は抜群です。しばし堪能した後、門内岳に向かいます。道中ミヤマキンバイやハクサンイチゲが咲き誇っていました。

10:45 門内岳(門内小屋)~地神山



門内岳からの眺望もよろしいです。すぐ下ったところに門内小屋があるためここで小休止です。管理人さんが作業をされていました。門内沢からは3名のバックカントリー勢が滑走の準備をしていました。そもそもここまでスキー道具を担ぎ上げて来るだけで超人かなって思いますが、石転び沢より急斜面な門内沢を滑り降りるなんて、想像するだけで気絶しそうです。

11:45 地神山~地神北峰(丸森尾根)


扇ノ地紙で梶川尾根から下山しようと考えていましたが、改めて地図を見てみるとどうやら丸森尾根のほうが時間的に早そうだったので、扇ノ地紙をスルーして地神山までやってきました。

※昨年の記録と比べたところ扇ノ地紙→梶川尾根登山口も扇ノ地紙→丸森尾根登山口も時間的にほとんど変わりませんでした。なんなら素直に梶川尾根から下山したほうがちょっぴり早かったようです。地図的には梶川尾根のほうが30分程長いようなのですが…よくわかりません。

12:00 地神北峰(丸森尾根)~飯豊山荘





ということで地神北峰より丸森尾根で下山開始です。山頂直下にはまだまだ大量の残雪があり、これがなかなかの急登です。頼母木小屋(当日は満員御礼だったようです)に泊まるであろう登山者が次々と登ってくる様子が見えました。一方わたしは尻セードを駆使しながら快適に滑り降りていきます。方向さえ間違わず、止まれるスピードを保てればとても安全且つスピーディーに下山することができます。あっという間に残雪エリアを滑り降りることができました。

その後は夏道が出ていたので淡々と下っていきます。途中後ろ髪を引かれる気持ちで何度も振り返りながらゼブラ模様の飯豊連峰を眺めました。しばらくすると夏道が完全に崩れている箇所がありました。実線が本来の道でしたが、仕方がないので枝木に掴まりながら点線のようなイメージでみました。

標高が低くなるにつれて気づけば緑も濃くなり、心なしが西日も強く感じるようになりました。暑いほどではありませんがじわじわと感じる程度です。疲労マックスのため何度も休憩しながら、最後の激下りをしてようやく登山口に到着です。

14:15 飯豊山荘~倉手山登山口駐車場


無事下山。満足感とともにようやく終えてホッとできました。飯豊山荘前に引いてある水でジャバジャバと頭を洗いスッキリしてから、倉手山登山口駐車場まで最後の歩きです。これがとても遠く感じます。やっぱり自転車が欲しい。

14:55 倉手山登山口駐車場


駐車場は路肩までいっぱいになっていました。やはり相当数の方が登っていたものと思われます。なんといっても絶好の登山日和且つお花畑シーズンですからね、考えることは皆同じってことですね。おしまい。