【Nikon D700+Ai AF NIKKOR 35mm f/2D】列車旅とスナップ写真
Nikon D700+Ai AF NIKKOR 35mm f/2Dを列車旅で使ってきました。感想とともに作例を少しご紹介いたします。
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Nikon D700+AI AF Nikkor 35mm f/2D
絞り値:f/5.6 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:320
列車旅ということでSLばんえつ物語に乗ってきました。C57-180、通称「貴婦人」と呼ばれる蒸気機関車です。新潟県新津駅と福島県会津若松駅を週末限定で往復している貴重な存在です。列車旅についてたくさん語りたいところですが写真ブログなのでそこは割愛します。でもただ一つ、めちゃめちゃかっこよかった。
さて写真についてですが、まず一番気になるのが色収差でしょうか。f/5.6まで絞っても結構目立ちますね。普段ならさほど気にしませんし、むしろレンズの味わい的には色収差を欲しているところですが、このような無機質な個体を撮るときは微妙ですね。ちなみに今回挙げた写真すべてに言える現象です。
絞り値:f/5.6 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:200
先ほどと同じアングルで近づいてみました。漆黒のボディに大きな車輪がめっちゃかっこいいです。また先ほどより光量が強くないせいか、色収差が若干目立ちにくいように感じます。もっと絞ってパキッと感が出せたら良かったです。
絞り値:f/5.6 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:320
ピント面の解像度は十分です。ボケはなんとなく二重ボケっぽい気がします。ちなみにこのビールは新潟限定の「風味爽快ニシテ」です。新潟に来たら飲んでみてください。
絞り値:f/5.6 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:320
新潟県津川駅にて給水、石炭補充、各種点検作業のためしばらく停車します。乗客はその間フリータイムとなるため記念撮影をするなどして過ごしていました。この写真のようにある程度距離が離れていると、全体的にボヤっとしてしまい色収差も気になります。もう少し絞ってキレが欲しかったです。
絞り値:f/5.6 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:320
働く姿もかっこいいです。ちなみに作業員さんも客席に同席していました。この写真では色収差がかえって効果的に働いており作業員さんが立体的に写って見えます。
絞り値:f/5.6 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:320
駆動部に注油している様子ですが、SLってのはメカメカしくて非常にかっこいいですね。漆黒ボディと作業員さんの服装との色の対比が良い感じに表現できたと思います。
絞り値:f/13 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:250
列車が変わってこちらは「キハE120-1」。福島県会津若松駅と新潟県小出駅を結ぶ只見線に乗って帰りました。平日にもかかわらず乗り鉄でいっぱいでした。とはいえ紅葉のハイシーズンに比べたらマシですし、何より一車両しかないので混むのは当然と言えます。
只見線は乗り鉄・撮り鉄に大人気の路線でして、まあ今回は乗ったわけですが見所がたくさんあってまったく飽きずに過ごすことができました。乗り鉄じゃなくてもかなり楽しめるのではないでしょうか。
ということで本題の写真ですがグッと絞って撮ってあります。絞ってもバッキバキになるわけはなく、なんとなく柔らかさを保ったままキレが増した感じに見えます。ただ光量次第で良くも悪くもなりそうです。
絞り値:f/13 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:250
只見駅から列車を撮ってみましたがこれだけ絞ってもなぜか甘い印象が拭えません。もしかして絞ってもあまり変わらないのかもしれませんし、そもそも光量が強いと仕方ないのかもしれません。フィルムライクで良いっちゃ良いのですが、絞ったらキリッと写ってほしい気持ちはあります。色収差の影響は計り知れません。
絞り値:f/13 シャッタースピード:1/5000秒 ISO感度:250
先ほどの写真よりさらに伝わりやすいかもしれませんが、建物の淵に沿って色収差の影響を認めます。これを良しととるか否ととるか、各人の写真のイメージによって異なりそうです。ひとまず言えることは、Ai AF NIKKOR 35mm f/2Dは絞っても色収差が結構目立つということです。
感想
Ai AF Nikkor 35mm f/2Dは1995年に発売されたフルサイズ対応の単焦点レンズです。ボディ内モーター駆動のAFのためAFモーターレスボディではAFが使えませんが、その代わり重量が205gとかなり軽量且つコンパクトに仕上がっています。
最大開放値がf/2のため、f/1.4ほどシビアなピントではないので扱いやすいです。加えて35mmという焦点距離が風景でもスナップでもポートレートでもだいたいなんでも撮れるため旅行写真のお供に最適と言えます。
最短撮影距離が0.25mというのもかなり魅力的です。今回の作例にはありませんがテーブルフォトも問題なく撮影することが可能なので、寄って良し引いて良しの非常に優れたレンズだと感じました。
ところで公式では「画像は絞り開放からコントラストが高く鮮明。無限遠から至近距離まで歪みなくシャープで、自然な描写が得られます。」との謳い文句ですが、「シャープ」かと問われるとこれにはいささか疑問を感じます。
おそらくその要因となるのが色収差です。開放で目立つのは止むを得ないとして、絞ってもあまり変わらなかったのが意外でした。特に光量が強い場面では顕著だったように思います。ということで色収差が目立つが故にシャープさには欠ける印象でしたが、古いレンズなのでそこまで求めるのはそもそも酷な話かもしれません。
ただ個人としては色収差も使い方かなって思っています。写真のイメージに合っていれば全然問題ないと考えています。とはいえ列車や建物のような無機質なものはシャープにキレよく写ってほしいため、そういった場面では別のレンズが良いのかもしれません。