【大日岳】大日杉小屋から飯豊連峰の最高峰へ、雨風に負けず春の小屋泊登山|2026年5月22,23日
飯豊連峰の登山を検討中の方
『春の飯豊連峰の登山ってどんな感じだろう。なにか情報があれば知りたい。』
この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。
本日の内容
- 感想
- スケジュールなど
- 登山ルート
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感想

ついに念願だった飯豊連峰の最高峰、大日岳へ登ってきました。登山口は大日杉小屋か御沢(川入)か悩んだ結果、今回は大日杉小屋コースにしました。行程は1泊2日で初日は飯豊本山小屋を目指し、明朝に大日岳をピストンして下山するという流れです。
登山数日前から天気予報を何度もチェックしましたが、どう見ても初日は小雨確定、2日目は晴れ確定の予報でした。鬼門は初日でしたが土砂降りも爆風もなさそうだったのでギリギリなんとかなるかなと考えていました。
実際初日はずっと雨風でガスガス、景色はまったく楽しめないまま気力でなんとか飯豊本山小屋にたどり着きました。まあ本音を言うと切合小屋時点でココロがバキバキに砕かれており何度もここに泊まろうかと考えました。
しかしお目当ての大日岳へ行くには、どうしても当日中に飯豊本山小屋へ着いておきたかったので頑張りました。体力よりも気力、精神的な負担が大きい初日となりました。
明朝は天気予報通りの快晴。日の出には若干出遅れてしまいましたが小屋も景色を独り占めできて最高の気分です。昨日味わえなかった飯豊連峰の稜線美やそこからの景色を堪能しつつ念願の大日岳に向けて歩を進めます。
御西小屋付近から見上げる大日岳は美しくて雄大。ゼブラ模様の山容が良いアクセントになっています。山頂直下の急登を這うように登り切ると標高2,128mの世界に到達です。
地上から眺めてもひと際目立つ存在の大日岳。今、まさにその場に立っているわけです。感無量とはこのことですね。なんて思いに浸っているのもつかの間、あっという間にガスに包まれてしまったのでそそくさと下山します。
帰りはもう淡々と、昨日拝めなかった景色を堪能しつつ何度も振り返りながら下山しました。飯豊連峰はイイなー。次は川入コースから登ってみようかしら。
スケジュールなど
【日にち】2026年5月22,23日
【天候】初日:小雨、中風~強風 / 2日目:晴れ、時々微風~中風
【気温】初日:詳細不明だが手足の感覚がなくなる程度の寒さ / 2日目:10℃以上 / 小屋内:8℃前後
【登山ルート/時間】大日杉小屋コース↔大日岳(飯豊本山小屋泊)/15時間15分/34.2km
【電波状況】稜線はわりと圏内(docomo)
【残雪】おおむね夏道(切合小屋直下と御西岳前後と大日岳直下にはたっぷりと残雪)
【水場】長之助清水(未確認だがおそらく〇)、切合小屋(準備前)、飯豊本山小屋(まだ雪渓の下)
【虫】晴れているとコバエっぽいのが寄ってくる
活躍した行動食(個人的な感想)
今回のようにある程度長い行程で活躍した行動食はアミノバイタル、ペプチエイド、羊羹です。あくまでも個人的な感想ですが参考までにどうぞ。
アミノバイタルはなんとなくアミノ酸4,000mg配合タイプをチョイス。疲れる前に摂取することを心掛けたためか、たしかになんとなく疲れにくく感じましたし、最後まで足が攣ることもありませんでした。ゼリータイプのほうが圧倒的に飲みやすいのですが嵩張るので顆粒タイプをおすすめします。
ペプチエイドは水に溶かして飲むタイプのサプリメントです。タンパク質なので平たく言えばこれもアミノ酸ですが、ただの水分を取り続けるよりは幾分マシかなって気持ちでこまめに摂取していました。アミノバイタル同様、吸収が早いのでおすすめです。なお味。
羊羹は行動食にぴったりですね。最近意識して持っていくようになりました。プロテインバーやカロリーメイトも携行しますが、ボサボサして口内の水分が持っていかれる感じが嫌なのと味がちょっとねえ。それに引き替え羊羹はさっぱりしており程よく水分もあるためボサつきません。適度な甘さも好みです。多少の重さや嵩張りはあるもののエネルギー補給には欠かせない存在となっています。
登山ルート



初日:大日杉小屋 → 飯豊本山小屋
2日目:飯豊本山小屋 → 大日岳 → 大日杉小屋
7:20 大日杉小屋登山口~長之助清水



天候が悪いのは分かっていたとはいえ、到着するまで登るか登るまいか考えていました。加えて眠気もあり仮眠していたらこんな時間になってしまいました。小雨が降っていましたが大荒れはしないかなー、ということで意を決して出発することにしました。金曜日且つ天候不良なこともあり私以外誰もいません。
まずはザンゲ坂と呼ばれる急登を進んでいきますが、初っ端で体力満タンなこともあり意外と大したことありません。鎖場が滑りやすいことだけ注意しましょう。
8:05 長之助清水~地蔵岳


未確認ですがおそらく水は出ているでしょう。まあどのみちここで補給する必要はないかなって感じです。ここから先に急登はないものの、だらだらと長い上り坂が続きます。視界もほとんど開けません。
途中で立派な御田の杉に圧倒されます。樹齢はどのくらいだろうか。登山道脇にはちらほらと初春の山野草が花を咲かせています。雪深い山域なだけあり季節が1ヵ月ほど違いますね。
9:35 地蔵岳~御沢分かれ




雨風のなか長い上り坂に耐えつつ、なんとか地蔵岳に到着しました。帰路で気づいたことですが晴れていると眼前に飯豊山が見えるんですよね。当日は生憎の空模様のため、まさかこんなに見晴らしが良いとはまったく想像もつきませんでした。
地蔵岳から先はややアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げていきます。このアップダウンが地味に堪えました。この付近から少しずつ残雪が増えてきます。美しいシラネアオイや霧雨に映えるダケカンバ、小銭が散乱した御坪を過ぎたら御沢分かれです。
11:00 御沢分かれ~切合小屋



御沢分かれでは夏道ルートと雪渓ルートを選べます。どちらを選んでも最終的には切合小屋へと続くのですが、この時期であれば雪渓ルートのほうが時間的には早いようです。しかしこのときはまったく頭が働いておらず、何も考えずに夏道ルートを進んでしまいました。したがって雪渓ルートの残雪程度はわかりません。
御沢分かれから30分ほど夏道ルートを進むと雪渓にぶち当たります。ここで困ったのがガスのせいで先がまったく見えないことです。仕方がないのでGPSを頼りにそれらしい方角へと進んだところ、なんやかんや右往左往しつつ種蒔山分かれにたどり着きました。なおこのときは雪が少し緩んでいたためノーアイゼンでも問題ありませんでした。
ちなみにこれまた翌日分かったことですが、切合小屋直下までまだまだ残雪がついていたため、視界さえよければ雪渓上をスムーズに直進することができます。とはいえさすがに所々深いクラックもあるため要注意です。
12:00 切合小屋

体力的には余裕があったものの、とにかく精神をゴリゴリすり減らしながらなんとか切合小屋にたどり着きました。雨風で靴もウェアもぐちゃぐちゃ、気力でここまで来た感じです。真冬ほどではないものの手足の感覚がマヒするくらいには寒い状態です。
小屋内は10℃くらいでしょうか、雨風を凌げるだけでありがたいです。なによりだいぶ暖かく感じます。すぐさま乾いた服に着替えを済ませ昼食の準備に取り掛かりました。なお小屋前の水場は準備中でした。冬季用トイレが使用可能です。
15:05 切合小屋~草履塚

小屋のおかげですっかり温まった身体、気づけば3時間が経過していました。相変わらず小雨や霧雨、微風から中風の天候が続いています。昼食を取りながらこのまま泊まろうかとずっと考えていましたが、いやいや「今回は必ず大日岳に登るんだ」との思いで飯豊本山小屋に向かって再び歩き始めました。
切合小屋から草履塚までは所々夏道も出ていますが基本的に雪渓を進みます。視界不良で方向を見失いがちですがGPS通りに真っ直ぐ登っていきます。晴れていれば最高の景色なんだけどなー…。
15:30 草履塚~御前坂



草履塚から姥権現、御秘所を難なく通過していきます。風向きの関係で御秘所の谷側は爆風でしたが、岩稜のおかげで登山道はほぼ無風でした。御秘所に咲くハクサンイチゲが健気に見えました。
16:00 御前坂~飯豊本山小屋

さあここまで来たらもう一息です。ただしこの御前坂が地味に長い急登なんですよね。岩がゴロゴロしており浮き石もあるので注意しましょう。なお地面にロープが張られているため、無暗にロープ外を歩かないように気を付けましょう。途中、テント場の水場はまだまだ雪渓に隠れていました。
16:30 飯豊本山小屋(小屋泊)


ココロをすり減らしながらようやくたどり着きました。実働時間はさほどでもありませんがとにかく長く感じました。相変わらずの天候なので飯豊山は明日にします。一刻も早く着替えて食事、寝床の準備に取り掛かります。到着時の室温は1階が8℃、2階が10℃でした。ちなみに冬季用トイレが使用可能です。
食事はマルタイラーメンにチャーシュー、パックの日本酒にワイン、ジャーキーにチョコレートに柿の種。腹ペコだったので他にも食事を取りましたがこんな感じです。おいしい。山で食べる食事は本当においしい。
なお食後に外を何度か確認しましたが、ガスまみれだったのでおとなしく眠りにつきました。明朝は晴れ確なのですが、如何せんこのガスが抜けるのかどうなのか…。
4:25 飯豊本山小屋(明朝)



二度寝三度寝を経て、気づけば小屋内に真っ赤な朝日が差し込んでいました。大慌てで外に出てみるとなんと素晴らしい眺めでしょう。昨日の雨風が嘘のように静寂に包まれた朝です。聞こえるのは鳥のさえずりのみ。こんな景色を独り占めできるなんて最高じゃないですか。
振り返ってみると、大日岳にも朝日が差し込んで山頂を赤く照らしていました。今回はどうしてもあそこに登りたくて来たんです。昨日と打って変わって今日は抜群の登山日和です。
5:00 飯豊本山小屋~飯豊山

そそくさと朝食を済ませ、身支度を整えたら大日岳に向かって出発です。ひとまずピストンなのでアタックザックだけで十分です。昨日の疲れが意外と少なく済んでいたことに加え、荷物の軽さ、何よりも素晴らしい稜線美にウキウキワクワクが止まらず動きもすこぶる軽快です。
5:10 飯豊山~御西小屋




あっという間に飯豊山へ着きましたが、陽はすっかりと高くなってしまいました。ここから駒形山を過ぎ、御西岳まではおおよそ雪渓上を進みます。なおこの雪渓は谷へ向かってなだらかに傾斜しており早朝だと凍結している可能性があります。念のためアイゼンは持参したほうが良さそうですがこのときはノーアイゼンで行けました。
ちなみによく見ると雪面になんとなく赤スプレーの痕跡が残っています。道しるべなのでしょうが正直あまり当てになりません。ところで南東からガスが上がってきているような…。
6:00 御西小屋~大日岳






軽快に進んで御西小屋に到着です。認めたくなかったけどやっぱりガスが上がってきていますね。大日岳へと続く稜線には滝雲がゴォゴォと流れている様子がわかります。一方、烏帽子岳から北股岳、遠くには二王子岳の姿もよく見えます。いずれ縦走したいところです。
さて大日岳だけへの稜線はおおむね夏道が出ていました。この時間は朝露に濡れた笹でパンツや靴がビシャビシャになるのは覚悟しておきましょう。道中滝雲のなかを通りましたが、案の定なかなかの強風に加えミストシャワーを浴びる羽目になります。思いのほか寒く感じます。
大日岳のハイライトは山頂直下の急登でしょう。40度くらいの傾斜があり石転び沢を彷彿とさせます。いざ目の前にすると壁のようで、途中で滑り落ちたら止まりません。
このときは雪が緩んでいたためキックステップで這うように登降できましたが、時間や天候によっては凍結していることも十分に考えられます。アイゼンやピッケルは必ず用意して臨みましょう。
7:10 大日岳~飯豊本山小屋


ということで念願の大日岳に登頂しました。飯豊連峰の最高峰2,128mに私は立っています。感無量です。ずっと登りたかった山に今来ているわけですからね。舞い上がりすぎて自撮りするのを忘れてしまいました。
登頂後ほどなく、ガスが続々と上ってきてすっかりと覆われてしまいました。こうなってしまっては仕方がないので慎重に下ることにします。飯豊本山小屋までの道中はガスに覆われてしまい結局何も見えませんでしたが、ここでようやく一組のペアとすれ違うことになります。心細かったのが多少救われた気分でした。
9:10 飯豊本山小屋
意外と上り返しがありくたびれてしまいましたが飯豊本山小屋に到着です。改めて朝食を取り荷物をまとめて軽く掃除をしました。大変お世話になりました。
10:05 飯豊本山小屋~切合小屋



下山開始のため外に出てみると、ガスがすっかりと抜けておりめちゃめちゃ良い天気です。なんというか、登山あるあるですよね。いいんですいいんです。山は逃げないのでまた来たらいいんですよ。なんて言い聞かせながらも、後ろ髪を引かれる思いで何度も振り返りながら小屋を後にしました。
昨日何も見えなかった稜線が今はくっきりとよく見えます。「あーこんなところを歩いていたのか」って感じでなんとなく思い返してみました。
11:15 切合小屋~地蔵岳


切合小屋の直下には残雪がまだまだ付いていますが、大きく口を開けたクラックも見られるためルート選びは慎重に行いましょう。雪渓ルートはよくわかりませんが…写ってる?ここから地蔵岳までのトラバースが地味に長くて登り返しもあって大変疲れました。
13:30 地蔵岳~大日杉小屋

昨日はガスっていて全くわかりませんでしたが地蔵岳ってこんなに眺めが良いんですね。刈り払われており休憩にちょうど良いです。私も最後の大休止をとって長い下り坂に備えます。いよいよ足のブレーキが効かなくなってきました。
15:00 大日杉小屋

長かった。最終的に体力的にも精神的にも疲れ果てましたが無事に下山できました。下山すると途中ですれ違った山菜採りメンバーの車が10台ほど停まっていました。天候が良いのに意外と登山者が少なかったです。
白川温泉 いいで白川荘

登山口で話したおじさんに教えてもらい白川荘にやってきました。ここはあれですね、水没林のところなんですね。キャンプもできるしカヌーも楽しめるし良きところでした。ところで道中の白川地区は長閑で良き集落ですね。日本の原風景が残っていました。今頃田植えをしているあたり、やっぱり季節が遅いんですね。