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【二王子岳】絶頂期の冬山登山|2024年2月10日

登山

二王子岳の登山を検討中の方
『二王子岳ってどんな感じだろう。なにか情報があれば教えてほしい。』

この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。

本日の内容

  • 感想
  • スケジュールなど
  • 装備品
  • 登山ルート
  • 二王子岳について

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感想


厳冬期の二王子岳、昨年に引き続きなんとか登ることができました。装備は少しずつ揃って来たけどまだまだ冬山初心者。当日は幸い先行者がおり、天候にも恵まれたためかなり登りやすかったです。稜線は強風で地吹雪が吹いていましたが、ホワイトアウトすることもなく青空が出てきました。

今年は積雪量が少なく五合目の定高山で2.5mしかありませんでした。昨年の今頃が4.5mだったことを考えると暖冬小雪です。それはそれで生活しやすくて大変結構ですが、冬なのに雪が少ないのはやっぱり物足りない気もします。ないものねだりでしょうか。

さてそんな積雪量に反し、山頂の青春の鐘に付くエビの尻尾がとんでもなく巨大化していてビックリしました。さらに避難小屋も全体的にエビの尻尾と化しており、入口がギリギリ顔を覗かせている程度です。管理人さんたちが適宜掘り起こしてくれていることに感謝です。

山頂からは飯豊連峰が眼前にばっちりと広がっており、360度見渡す限り青と白の世界です。贅沢を詰め合わせたかのような時間を存分に堪能することができました。なお当日は午後から天候が崩れる予報だったせいか登山者が少なく、そういう意味でも特別感があって大満足な山行となりました。

スケジュールなど

【日にち】2024年2月10日(土)
【天候】晴れのち曇り(小雨)、稜線は強風
【気温】0°以下
【登山ルート】南俣集落↔二王子岳山頂
【時間】7時間20分(上り4時間30分、休憩60分、下り2時間30分)
【電波状況】基本圏内だがところにより繋がりにくい(docomo)
【積雪】五合目の定高山にて2.5m

装備品

・ミレー ティフォン 50000 ウォームストレッチジャケット
・ミレー モンテローザ パンツ ネオ
・ミレー ライトグリッドジャケット
・モンベル ウイックロンZEO ロングスリーブ ジップシャツ
・ミレー アンダーウェア ドライナミック メッシュノースリーブ
・ミレー アンダーウェア ドライナミック メッシュタイツ
・モンベル フェイスネックゲーター
・モンベル アルパインハイソックス
・ゲイター:モンベル ゴアテックス ライトスパッツ ロング
・インナーグローブ
・オーバーグローブ:イスカ ウェザーテック オーバーミトン
・サングラス:モンベル アルパイングラスHD
・帽子:モンベル ストレッチクリマプラス200 イヤーウォームキャップ
・ヘッドライト:ブラックダイヤモンド コズモ350
・登山靴:モンベル アルパインクルーザー2800
・ワカン:エキスパートオブジャパン

登山ルート

おおよそは夏季ルートと似ていますが、もちろん冬季ルートが存在します。私のような冬山初心者はトレースがなければ無理をしないほうが賢明です。

「〇合目」などの標識はほとんど雪の下です。六合目まではピンクテープ、六合目以降は稜線上の竹棒を目印に進むことになります。特に稜線上においてホワイトアウトさえしなければルートを誤ることはないと思いますが、トレースは地吹雪であっという間に覆われてしまうためその点は要注意です。冬山は引き返してナンボくらいの気持ちで挑むことを強くおすすめします。

詳細はYAMAPをご参照ください。

6:00 南俣集落(駐車場)~二王子神社





前回の反省を踏まえ5時半に到着したら想像以上に空いていました。午後から天候が崩れる予報だったからでしょうが、個人的には空いていてラッキーでした。ちなみに案の定、正午くらいから曇りはじめて風も強くなり、下山の14時には小雨が降ってきました。

南俣集落には縦列駐車で30台くらい停められる感じです。ギリギリすれ違える程度の道幅しかないので、譲り合って上手に停めましょう。登山口付近の住民の迷惑にならないように配慮しましょう。

さて、冬季は南俣集落から二王子神社まで徒歩です。この時点で積雪量が少なくて歩きやすかったですが、ウォーミングアップがてらと思いつつも遠い遠い。途中で杉林を横断しながら、冬季しか通ることがないであろう赤い橋を渡って二王子神社に到着です。

6:40 二王子神社~一合目


黙々と歩いて40分、二王子神社に到着です。普段はここまで車で来れることを考えるとただただ長いなーと感じます。前回はここで無駄にスノーシューを履きましたが、今回は七合目の油コボシまでツボ足で行きました。よっぽど降らない限り、六合目まではトレースがしっかりしているので安心できます。

7:00 一合目~四合目


一合目を過ぎてしばらく進むと夏季ルートと冬季ルートに分かれます。どちらを進んでも四合目で合流しますが、わたしは冬季ルートを選びました。前回はスノーシューを履いていたせいか非常に疲れましたが、ツボ足で軽かったためか前回ほどのキツさはありませんでした。それでも冬季ルートはプチ直登のため、休みながら少しずつ進んでいきます。ちなみに冬季ルートだと所々ズボるポイントがあるため注意しましょう。

8:00 四合目~五合目(定高山)


四合目以降、ブナ林が続きます。トレースをそのままま進んでいきます。

8:15 五合目(定高山)~六合目



五合目の定高山に到着です。この時点で積雪量は2.5mで、昨年が4.5mだったので明らかに少ないことがわかります。二王子岳のレジェンド曰く、今冬では今が一番多いのだと教えてくれました。六合目手前のちょっとした斜面にはパウダースノーが積もっておりとても美しいです。

9:00 六合目~七合目(油コボシ)





六合目の目印は竹棒です。これ以降は稜線歩きとなり守門岳や粟ヶ岳、朝日連峰などの山々が確認できます。一気にテンションが上がりますが同時に風も強くなります。トレースは地吹雪で所々かき消されているため、稜線上の竹棒を目印にして進みましょう。この日はツボ足で行けましたが、この辺りでワカンを履いても良さそうです。

こんもりと雪に覆われた山容が優しくて美しいです。そんな景色に見とれつつ、写真をバシバシ撮りながら進んでいきます。所々小さなスノーモンスターも確認できます。

さて、二王子岳の最難関とされる油コボシの急登ですが目の前で見上げると壁です。写真で遠目に先行者が写っていますが、よじ登っているように見えます。また急登の左側がやや谷になっており、雪崩の危険があるので要注意です。

9:25 七合目(油コボシ)~九合目(電波塔)




急登をよじ登ると七合目の竹棒に到着です。ここまで来るとさらに一段階景観が良くなりますが、ホワイトアウトするとコースロストしやすいポイントなので要注意です。見通しが良い日は写真の通り素晴らしい景色が堪能できます。白銀の稜線をひたすら進む、さながら空中散歩です。それにしても美しい世界です。私はこのタイミングでワカンを着用しました。

10:20 九合目(電波塔)~二王子岳山頂





電波塔のエビの尻尾がポカリスエットおよそ5本分の長さに成長していました。立派すぎます。右手に飯豊連峰を眺めながらゴールに向かいます。

10:25 二王子岳山頂





登山開始から4時間半、厳冬期且つ絶頂期の二王子岳に無事登頂しました。眼前に広がる飯豊連峰、左手には朝日連峰からの鳥海山、右手には守門岳などの新潟の山々、振り返ると越後平野から日本海越しの佐渡島がよく見えます。疲れなんて軽く吹き飛ぶくらいの大絶景に感無量です。

さらに青春の鐘に付くエビの尻尾が想像以上に巨大化しており、避難小屋すらもエビの尻尾で覆われていることに驚きました。ものすごい自然のアートですね。とりあえず避難小屋の入口を軽く除雪してから中に入り、昼食&休息タイムとしました。間もなく管理人さんがいらっしゃってストーブを点けてくれたのが暖かくてありがたかったです。登山者の方との談笑も楽しませていただきました。

11:30 下山開始~南俣集落(駐車場)

気が付くと1時間も経っており、外に出ると薄っすらと雲がかかって風もさらに強くなっていました。急いで支度をして下山開始です。たまたま同世代くらいの方と一緒になり、最後まで登山や写真の話をしながら楽しく下山しました。

14:00 南俣集落(駐車場)

下山開始から2時間半、無事に戻ってきました。下山とともに小雨が降ってきましたが、大崩れ前になんとか間に合って良かったです。ワカンやスノーシューがあるとガンガン下りてこられるので楽ですね。

二王子岳について


新発田市と胎内市にまたがる飯豊連峰の前衛峰が二王子岳です。天候さえ良ければ山頂からの飯豊連峰の展望は圧巻で、その大パノラマに魅了されてこの山に登る人も多いです。

残雪期や無雪期にも登ったことはありますが、厳冬期の二王子岳は本当に美しいです。とはいえ厳冬期は気軽に登れる山ではないので、天候の確認、コンディションの調整、十分な装備、できれば慣れた方と同行するべきでしょう。