登山/写真/旅行/キャンプなどのアウトドアについて発信する個人ブログ

【光兎山】秋深まる県北の隠れた名峰|2022年11月3日

登山

光兎山の登山を検討中の方
『光兎山ってどんな感じだろう。なにか情報があれば教えてほしい。』

この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。

本日の内容

  • 感想
  • スケジュールなど
  • 登山ルート
  • 光兎山について

スポンサードサーチ

感想

光兎山
知人曰く「下越の山ってあんまり人が行かないんだよな」との話から、「光兎山も良い山なんだけどね」という流れになり、今回は単独で光兎山に登ってきました。

標高1,000m足らずですが独立峰のため、360°展望良好の大パノラマです。鷲ヶ巣山から朝日連峰や飯豊連峰、日本海から佐渡島や粟島などがグルっと見渡せます。今回は残念ながら雲が抜けず、光兎山のポテンシャルをすべて堪能することはできませんでしたが、それでも良い山だなと感じました。

序盤は緩やかに散歩気分で進んでいき、少しずつ高度を上げていくものの大したことはありません。杉林やブナ林がとても気持ち良いくらい。しかし終盤、「マジか」って思うような急登には面喰ってしまいます。さながら越後三山の中ノ岳の変態急登を彷彿とさせるものがあります。

知人から話には聞いていましたが、少し舐めていました。この程度の標高に、こんな急登があるのかって感じです。部分的によじ登るような箇所があるなど、なかなか立派な急登でした。

2022年11月3日時点、光兎山の紅葉はとってもきれいでした。とはいえ稜線沿いはほとんど枯れていましたが、中腹あたりの紅葉は素晴らしい。色とりどりの紅葉は絵画のようでした。

スケジュールなど

【日にち】2022年11月3日(木)
【天候】薄曇り、やや強い風
【気温】10℃くらい
【登山ルート】
【時間】13時間50分(初日:5時間20分、2日目:8時間30分)
【電波状況】入ったり入らなかったり不安定(au)
【紅葉】稜線上はほとんど枯れているが、中腹あたりは絶頂期

登山ルート

光兎山の登山口は中束(なかまるけ)と千刈(せんがり)の2つあります。いずれも集落名だそうです。今回は利用者の多い中束口から登りました。余談ですが、中束って読めないですよね。

登山ルート自体は綺麗に整備されており、特段迷うようなポイントはありません。植林地をのんびりと進んでいくと主稜分岐点で千刈ルートと合流します。千刈ルートは残雪期登山で利用されることが多いそうです。

その後は雑木林、ブナ林へと変化していき、観音峰に着くと前方に雷峰と光兎山の山頂が現れてきます。観音峰を過ぎたあたりから視界が開けてきます。このあたりの紅葉は絶頂期で、幾度となく足を止めては赤・黄に色づいた木々を眺めます。

雷峰から光兎山まではこの山の代名詞、変態急登が待っています。ここで一気に高度を上げることになります。前述したようにこの急登、中ノ岳のそれにそっくりです。距離が短いぶん光兎山のほうがよっぽど楽ですが、なかなか侮れません。鎖場もあるので心して臨みましょう。



5:55 光兎山(中束登山口へ)

光兎山
藤沢川沿いに県道273号線を進み、中束集落に入ると間もなく右手に橋見屋商店が見えてきます。商店脇の駐車場というかバス停に光兎山登山案内図が出ていますが、初見だといまいちわかりづらいです。

とりあえず県道沿いにそのまま進むと藤沢川に架かる二峰橋があり、右側に光兎山登山口の看板が出ています。そこから林道に入り植林地を縫うように進んでいくと登山口にたどり着きます。駐車場は林道脇にありますが5-6台くらいしか停められないような感じです。

6:15 光兎山登山口~主稜分岐点

光兎山
光兎山
光兎山
登山口に登山届があるので一応書いてから登りましょう。主稜分岐点まではスギやマツの植林地を緩やかに登っていきます。準備運動にはちょうど良い感じです。

7:00 主稜分岐点~虚空蔵峰

光兎山
光兎山
光兎山
主稜分岐点で千刈ルートと合流します。雑木林、ブナ林へと変化するなか、じわじわと高度を上げていきます。枯れかけだけどブナ林が気持ち良い。

7:20 虚空蔵峰~観音峰

光兎山
光兎山
地味に登り返しながら虚空蔵峰に到着。天保10年(1839年)と刻まれた御神燈と、文化14年(1817年)の虚空蔵菩薩の文字塔があります。ちょこっと進んだところに奥山の三角点があります。女川流域の眺めが良いとの情報ですが、うーん見えない?

7:35 観音峰~雷峰

光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
山腹を登り返したら観音峰。祠の周りは平地になっているのでちょうど良い休憩場所です。眼前には雷峰、光兎山山頂が確認できます。観音峰を下ると間もなく水場がありますが未確認です(往復6分くらい)。

観音峰からグッと下ると、なんとなく稜線歩きになります。曇天ながらも時折朝日に照らされる紅葉がなんとも美しいです。そんな稜線歩きを楽しみつつも雷峰までは急登です。がんばって登ります。

8:20 雷峰~光兎山山頂

光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
光兎山
息を上げながらも雷峰に到着。ここでまた一段階展望が開けます。すぐ前方には光兎山の山頂が確認できますが、いやはや低山ながらも立派な急登です。

雷峰から油コボシ(看板はない)を下り稜線を行くと、軽トラックほどの姥石が現れます。やがて最低鞍部に下るとここから170m、最後の急登(変態急登)となります。見た目の通り?見た目以上に?急登です。前傾姿勢で進みます。途中ザレていたり、段差が高かったり、ロープがあったりするので注意しましょう。

9:00 光兎山山頂

光兎山
標高966m、光兎山山頂に到着です。が、曇天。何も見えないわけではありませんが、ほぼほぼ白い。本来であれば360°展望が開けており、鷲ヶ巣山から朝日連峰や飯豊連峰、日本海から佐渡島や粟島などがグルっと見渡せます。

9:50 下山開始

しばらく待っていましたがなかなか抜けず、いよいよ寒さに耐えられなくなり下山となります。

11:30 光兎山登山口

無事下山。低山でしたが、なかなか登りごたえのある山でした。残雪期、雪が締まってきたら再チャレンジしてみたいです。その際は千刈ルートから上ると良いと教えていただきました。

光兎山について

「こ-うさぎ-さん」ではなく「こう(こー)-さぎ-さん」が正しい読み方。光兎山は関川村の北東に位置し、貞観3年(861年)、比叡山延暦寺座主慈覚大師の開山と言われています。それ以来、修験者の道場としての歴史を秘め、長く女人禁制とされてきました。

それを物語るものが、花崗岩の巨石「姥石」です。これは「禁」を犯して登った女性が石にされたものだそうです。もちろんそんなことは有り得ないのでしょうが、この手の言い伝えってのはおもしろいですね。

光兎山は三角錐形の独立峰のため展望がよく、周辺山岳や地形を観察するのにちょうど良い山です。その特徴的な山容は、平地からでも容易に確認できます。今でも、日本海を航行する沿岸漁船などの航海者のための良い目標物として利用されているそうです。

参考文献

新潟県山岳協会:新潟100名山, 新潟日報事業者, 2010
新潟県山岳協会:新潟100名山+10, 新潟日報事業者, 2020