【蒜場山】米平新道|落葉と雲海と飯豊連峰の雪化粧の季節を登る|2021年11月6日
蒜場山の登山を検討中の方
『蒜場山ってどんな感じだろう。なにか情報があれば教えてほしい。』
この記事は備忘録ですが、少しでも参考になれば幸いです。
本日の内容
- 感想
- スケジュールなど
- 登山ルート
- 蒜場山について
スポンサードサーチ
感想
標高1,363mの里山ですが、なかなかきつかったです。粟ヶ岳や二王子岳よりも断然きつい印象を受けました。登山口のある加治川治水ダムの標高がおよそ320mです。初っ端からひたすら急登が続きます。たまに緩んだり少し下ったりしますが、とにかくやたらと急登が多いです。
岩岳を過ぎて烏帽子岩に向かう途中、阿賀野川に沿って続くスケールの大きな雲海に出会いました。時期的にも時間的にも気候的にも、偶然出会えた雲海です。度々立ち止まっては景色を眺めつつ歩を進めます。
烏帽子岩にたどり着くと360度の展望が楽しめます。わずか1,020mですが眺望はものすごく良いです。前方には兎戻しの鎖場や痩せ尾根、山伏峰からつづく蒜場山の山頂まで確認できます。
蒜場山の山頂からは圧巻の景色です。飯豊の最高峰である大日岳が眼前にそびえ立っており、そこから続く飯豊連峰の山々に圧倒されます。ほかにも二王子岳、赤津山、吾妻連峰、磐梯山、川内山塊など、360度の大展望にしばらく目を奪われます。
蒜場山の知名度はまだまだ低いと思いますが、山単体としての楽しさに加えて山頂の大展望などを踏まえると、県内でもトップクラスに素晴らしい山だと思います。
スケジュールなど
【日にち】2021年11月6日(土)
【天候】晴れ、無風~微風
【気温】5℃~
【登山ルート】米平新道
【時間】6時間(上り3時間、休憩1時間、下り2時間)
【電波状況】山頂以外ほとんど入らない(au)
【紅葉】ほぼほぼ落葉(おそらく10月末くらいがピーク)
登山ルート
蒜場山には〇合目の表記はありません。ポイントになるのは倉見平、岩岳、烏帽子岩、山伏峰です。登山ルートはほぼ一直線なので迷うことはないと思いますが、一応ピンクの目印があるのでそれを頼りに進みましょう。
落葉が進んでいると足元が見えにくかったり、滑りやすかったりします。入山者は多くなく、登山道も上等ではありません。烏帽子岩以降、登山道が崩れている箇所がいくつかあります。落ちたら死ぬ場所もあるので、その都度慎重に進みましょう。
6:25 駐車場~登山口
駐車場は手前と奥にあり、それぞれ10台くらいずつ停められます。一応、路肩に縦列駐車も可能です。トイレは奥の駐車場の横にあるので登る前に済ませましょう。登山口はダムを横断した先にあります。この時点でわりと良い景色です。
6:30 登山口~倉見平(標高660m)
登山届を書いて、登山開始です。ただしウォーミングアップをする間もなく、いきなり急登が続きます。辺りはすっかり落葉が進んでおり、登山道は葉で埋め尽くされています。
しばらく登り振り返ると、朝日を浴びた焼峰山がきれいに浮かび上がっています。登山道の途中には、かつて鉱山であった証のトロッコやレールなどの残骸や坑道跡などがあります。
7:05 倉見平(標高660m)~岩岳(標高932m)
倉見平に到着です。右手には俎倉山(まないたくらやま)の全貌がよく見えます。休憩するにはちょうど良いところです。左手には焼峰山から赤津山へ連なる稜線がよく見えます。それにしても、ここまでひたすら登りっぱなしです。もちろんこの先もまだ続きます。
7:40 岩岳(標高932m)~烏帽子岩(1,020m)
岩岳に到着です。一気に視界が開け、ここからは蒜場山の全貌がバッチリと確認できます。傍らには老木の杉がありますが、倒木の危機に陥っているようです。
岩岳から烏帽子岩にかけて、思いもよらず素晴らしい雲海に出会うことができました。おそらく時期・時間・気候すべてのタイミングが良かったのだと思います。何度も振り返りながら先へ進みます。しばらく行くと特徴的な形をした烏帽子岩が見えてきます。
8:25 烏帽子岩(1,020m)~山伏峰(1,330m)
烏帽子岩に取りつく手前が蒜場山で一番の難所です。垂直とまではいきませんが、結構な傾斜に鎖が垂れ下がっています。たぶん、落ちたら死にます。鎖場を越えると360度の展望が楽しめます。思わず「お~」と声が出ます。
前方には兎戻しの鎖場、瘦せ尾根に続いて山伏峰、そして蒜場山の山頂が見えます。この先もアップダウンを繰り返しながら急登が続きますが、感覚的には前半ほどきつくありません。なお烏帽子岩から山頂にかけて、残雪に引っ張られて登山道が崩れている箇所があります。くれぐれも崖側は歩かないように。マジで崩れます。
9:10 山伏峰(1,330m)~山頂(1,360m)
山伏峰まで来ると、蒜場山の山頂越しに飯豊の最高峰である大日岳がお目見えします。さらに福島県から新潟県にかけて、阿賀野川沿いに壮大な雲海が広がっています。いろいろとスケールの大きさに驚かされます。山伏峰を過ぎると、山頂までは緩やかな登りとなります。景色を堪能しながら進みましょう。
9:30 山頂
登山開始から3時間、山頂に到着です。もうね、圧巻ですよ。360度の大展望はもちろんのこと、眼前には飯豊連峰、左側には二王子岳や赤津山、右側には吾妻連峰や磐梯山がそれぞれ広がっています。振り返ると新潟県側の山々がずっと遠くまで確認できます。
当日は天候に恵まれていたので、のんびりと1時間ほど休憩しました。飯豊連峰の山々はすでに雪化粧。贅沢な景色を堪能しながら過ごしました。
ちなみに昼食には日清食品のカレーメシを選択。アルファ米ともフリーズドライとも違うようですが、おいしくカロリーが補給できればOKです。容器がかさばるので、パックにカレーメシを入れ替えて持って行きました。パックはMサイズですが、たぶんSサイズのほうが食べやすくて良いです。
10:30 下山開始
大日岳の雲が抜けるかなと思い、しばらく待ちましたが抜けず。仕方がないので下山開始です。
14:30 登山口
下山開始から2時間、登山口に到着です。なかなか登りごたえもあり、抜群の景色が堪能できる素敵な山でした。もっと人気があってもいいのだけど。
蒜場山について
昭和49年(1974年)に加治川治水ダムができるまで、蒜場山には登山道がなかったようです。猛烈な密ヤブに覆われた「近くて遠い山」だったとのこと。それまでは沢から登るか、残雪期に尾根をたどるかでした山頂に行けませんでした。現在の登山道ができたのは平成9年(1997年)のこと。下越山岳会が鉱山道を利用して登山道を伐開したようです。