【定番】登山初心者におすすめの新潟の里山3選
新潟の登山初心者
『登山始めたいんだけど、とりあえず登ってみるべきおすすめの山があったら教えてほしい。』
ド定番ですが「弥彦山(表参道ルート)、坂戸山(薬師尾根ルート)、五頭山:五ノ峰(出湯ルート)」あたりが良いかと思います。今回はその理由について私見を述べたいと思います。
本日の内容
- 共通のおすすめ理由
- 弥彦山(表参道ルート)
- 坂戸山(薬師尾根ルート)
- 五頭山:五ノ峰(出湯ルート)
- 注意点
- まとめ
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共通のおすすめ理由
「低山で、登山者が多く、安全で、そこそこ景観が良く、近くに入浴施設がある」からです。もちろん他にも該当する里山はあるのでしょうが、やはり定番の「弥彦山、坂戸山、五頭山」は外せません。これらの里山について少し触れてみたいと思います。
【登山初心者】力試しにおすすめの新潟の里山2選
「〇〇〇が登れたら越後の山はだいたい登れる」ということで、力試しには「二王子岳、粟ヶ岳」がおすすめです。いずれも「3時間以内」の登頂が目標です。低山に慣れてきたころ、高い山に挑戦する前のステップアップとしてチャレンジしてみると良いでしょう。どちらも素晴らしい里山です。
弥彦山(表参道ルート)
弥彦山を知らない人はいないでしょってくらい定番の里山ですね。標高は634mと低くて登りやすく、小学生の授業登山にも利用されています。とはいえほとんど登りっぱなしなので、登り方によっては意外ときつかったりします。
春には可憐な山野草やブナの若葉、秋には思っている以上に美しい紅葉が楽しめます。ちなみに真冬の弥彦山も素晴らしく、条件が合えば低山でも立派な霧氷が楽しめます。ただし、低山とはいえさすがに真冬はそれなりの装備がないと危険です。
さて弥彦山の正式な登山道は「表参道ルート、裏参道ルート、田ノ浦温泉ルート、多宝山ルート、妻戸尾根ルート、雨乞尾根ルート」の6つありますが、初めて登るなら定番の表参道ルートが良いでしょう。
常識的な気候且つ時間帯であれば、基本的に誰かしら登っているので安全と言えます。よく整備された登山道を進んでいくと、五合目あたりで景観が見え隠れしてきます。六合目にかけてちょっとした岩場もあり、ほんのり起伏も楽しめます。七合目には水場もあるため、さいあくここで補給もできます。
九合目はロープウェイからの合流地点となっており、眼前には日本海に浮かぶ佐渡島、振り返ると越後平野や県境の山々がよく見えます。さらに山頂からは360度の大展望で、低山でここまで景観が良い場所はそう多くないでしょう。
登山口の駐車場は広いので、停められなくて困ることはほとんどないと思います。私はやったことありませんが、敢えて弥彦駅まで電車で来るってのもツウな楽しみ方かもしれません。
【弥彦山】冬の登山でしか見られない霧氷の世界|2021年1月6日
2021年1月6日、冬の弥彦山に登ったときの記録です。天候に恵まれ、大満足な山行となりました。青い空と雪のコントラスト、霧氷の神秘さ。まさに自然が織りなす芸術。どこを見ても絵になります。息を吞む美しさとはこのことでしょうか。冬の弥彦山登山…いいですよ。初心者にもおすすめできます。
表参道ルートの参考コースタイムなど
九合目まで登れたら自動販売機もあるので、おそらく水分不足に悩まされることはないでしょう。いざとなればロープウェイでエスケープも可能です。ちなみにロープウェイは(往復)大人1,500円/子ども750円、(片道)大人800円/子ども400円です。
入浴施設
弥彦山の麓には弥彦温泉街があるため入浴施設も豊富です。定番どころは「さくらの湯」でしょうか。ちなみに私は弥彦温泉ではなく岩室温泉の「よりなれ」を利用しており、料金は大人500円/子ども300円と安価です。しかも、外風呂にはちゃんと岩室温泉の湯を引いています。
坂戸山(薬師尾根ルート)
坂戸山も標高634mの低山で、登山者も多く登りやすい里山です。もしかしたら下越地方の方はあまり知らないかもしれませんが、坂戸山は坂戸城のあった場所として、六日町地域の人たちのシンボル的存在です。登山道のほとんど階段でグイグイ登っていくため、ゆっくり行かないとちょっときついかもしれません。
春には桜や山野草、特にたくさんのカタクリ、秋にはもちろん紅葉も楽しめます。ちなみに真冬の坂戸山は弥彦山以上にもの凄い絶景が楽しめるので激しくおすすめです。とはいえ真冬なので、それなりの装備は必須です。
坂戸山の正式な登山道は「薬師尾根ルート」「城坂ルート」の2つです。他にもありましたが、廃道や立ち入り禁止になっています。初めて登るなら薬師尾根ルートのピストンでも良いですが、カタクリを楽しみたい場合は「薬師尾根ルート→城坂ルート」の周回がおすすめです。城坂ルートから登っても良いですが、傾斜がきついのであまりおすすめしません。
常識的な気候且つ時間帯であれば、基本的に誰かしら登っているので安全でしょう。登山道はよく整備されており迷う心配は皆無です。山城だからなのか六日町の気候のせいなのかわかりませんが、ほとんど高い木がないため全行程を通して景観良好です。
景観は南魚沼平野から巻機山、苗場山、妙高山、平標山、谷川岳などが一望できます。特に山頂から眺める越後三山(八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳)は圧巻の迫力です。時期によっては壮大な雲海が楽しめるそうなのでいずれ登ってみたいと思います。
【坂戸山】冬の登山でしか見られない圧巻の景色|2022年1月16日
2022年1月16日、冬の坂戸山に登ったときの記録です。天候に恵まれ、大満足な山行となりました。標高は弥彦山と同じ634mですが景色がまるで違います。360°どこを見渡しても大絶景。越後三山や巻機山、魚沼平野越しに見える県境の山々の美しさは冬季でしか味わえません。なめてはいけませんが、冬山の初心者にもおすすめです。
薬師尾根ルートピストンの参考コースタイムなど
おおよそ全行程を通して日陰がないため日差し対策は必須です。水場もないため必要量は確実に持って登りましょう。もし余裕があれば山頂から小城、大城まで少し足を延ばしてみると良いでしょう。眼前の山々がちょっと近くなります。真冬は特におすすめです。
入浴施設
坂戸山の麓には六日町温泉郷があるため、これまた入浴施設が豊富です。わたしは「湯らりあ 六日町公衆浴場」を利用しますが、料金は大人440円/子ども150円ととても良心的です。他にも少し離れますが「五十沢温泉 ゆもとかん」も良かったです。
五頭山:五ノ峰(出湯ルート)
定番中の定番、みんなに愛される里山、五頭山です。この中では標高が912.5mとやや高く、それに伴ってコースタイムも少し長くなるためほんのり大変かもしれません。
五頭山は五頭連峰(松平山、五頭山、菱ヶ岳、野須張、大蛇山、宝珠山)の盟主であり、山名の由来となった五つの峰(五ノ峰、四ノ峰、三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰)+五頭山本峰から成ります。
ルートバリエーションが多彩なため様々な組み合わせが可能です。純粋にルートを楽しむも良し、ステップアップに向けてトレーニングするも良しの、なにかと「適度」な里山と言えます。
五頭山も弥彦山や坂戸山と同様、一年を通して楽しめます。さすがに真冬は上記2座よりも難易度が上がりますが、ガイドしてくれる人がいれば行けなくはないです。
五頭山の正式な登山道は「赤安ルート」「出湯ルート」「三ノ峰ルート」「旧スキー場ルート」「菱ヶ岳ルート」「松平山ルート」「中ノ沢ルート(五頭山)」「中ノ沢ルート(菱ヶ岳)」「岩戸ルート」「石間ルート」「赤松山ルート」「五頭連峰縦走路」の計11個もあります。詳細はこちら≫阿賀野市観光協会
さてこんな記事を書いておいて大変恐縮ですが、正直なところ多すぎてほとんど登ったことがありません。ただ一つ知っていただきたいのが、それだけ登山者に愛されて開拓された里山ってことです。
一気に信憑性が低くなったところで、数ある五頭山のルートの中でも、私は五ノ峰へと続く「出湯ルート」をおすすめします。山頂からは遠くに飯豊連峰、振り返ると越後平野から佐渡島まで360度の大展望です。
わりと山らしい山なので達成感もひとしおでしょう。特に五合目の烏帽子岩を初めて見たときにはちょっと感激すると思います。適度にきついのですが、ひとまずの力試しにちょうど良いです。それこそ、とりあえず頑張って烏帽子岩で引き返してもOKです。
【五頭山】三ノ峰ルートから登る冬の里山登山|2023年2月3日
2023年2月3日、冬の五頭山に登ったときの記録です。あいにくの天候でしたが、時折見える青空や遠方の景色、夏季とはまったく異なるその姿に完全に魅了されました。標高こそ912.5mですが、里山らしからぬ雪山登山が気軽に楽しめます。油断は禁物ですが、ほぼ必ず誰かが登っているため、冬山の初心者にもおすすめです。
出湯ルートピストンの参考コースタイムなど
五頭山の本当の山頂は五頭山本峰です。五ノ峰から40分くらいで行けるので余裕があれば行ってみてください。ただし景観は五ノ峰のほうに軍配が上がるため、あえて行かなくてもいいかなって印象です。水場はないので、必要量は確実に持って登りましょう。
入浴施設
五頭山の麓には五頭温泉郷があるため、こちらも入浴施設が豊富です。私は「出湯温泉共同浴場」か「村杉温泉 薬師の湯」を利用しますが、いずれも250円~300円という破格のお値段で利用できるので大変助かります。
注意点
注意点を挙げたらキリがありませんが、ひとまずどの低山にも言えるのが天候には要注意です。特に夏場は灼熱です。「山は涼しい」は2,000m~クラスのお話で低山にはまったくの無縁です。登るなら夜明けとともにスタートしてできるだけ早めに下山しましょう。さらに水場の有り無しは考えず、とりあえず必要量は確実に持っていきましょう。熱中症の危険をほんの少しでも感じたら迷わず下山です。
まとめ
「低山で、登山者が多く、安全で、そこそこ景観が良く、近くに入浴施設がある」を基準に、登山初心者におすすめの新潟の里山を選んでみました。弥彦山も坂戸山も五頭山もド定番の里山ですが、定番には定番たる所以があります。とりあえずこれらの里山を登ってみて、少しでも登山の楽しさ・魅力を感じていただけたら幸いです。
参考資料
新潟県山岳協会:新潟100名山+10, 新潟日報事業者, 2020